本日1月の20日より二週間、石下理栄さんの作品「うすらい 」を展示させてもらいます。
石下さんは奇跡的にご近所にお住いの大好きな作家さん。
日々の中、当たり前にある風景を、その眼差しの角度、あるいは認識を変えることによって全く異質の意味を持つ何かに変えてしまう不思議。
そして奇しくも真冬の綱島。
すぐそばにある日常の足元に映し出される深海、銀河、あるいは生まれる前の記憶のようにも思える世界。ぜひお立ち寄りください。

以下ステイトメントとプロフィールになります。

2012年のちょうど今ぐらいの季節。

ある朝、私はカメラを手に綱島公園に向かった。いつもと違った風景があるのではないかと期待しながら。夜寝る前には雪が降っていた。けれども雪は既に何処にもなく。

坂を登り切って更に進むと不意に足元をすくわれ仰向けに倒れた。起き上がるため手をついた先を見ると、そこには不思議な世界があった。

誰もいない公園の広場一面に張った薄氷(うすらい)。薄く満遍なく降り積もった雪が暁に凍結したのだろうか。その下で閉じ込められた空気の泡たちが仄めいている。

光を受けて、様相は刻一刻と変化していく。溶けて全てが消えてしまう前に、這うように移動しながら私は地面にレンズをそっと近づけた。

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その後、何回か雪が降った翌朝の公園に立った。しかし同じ状態の薄氷を見たことはない。微妙な気象条件の違いによって凍り方も変わるのだろう。

そして2021年の今。

何かと制約のあるご時世ではあるけれど something good を探して近所を歩く自由はまだ在る。

【個展】
2010年 「Flowers~光をまとう花たち」秋田国際教養大学(秋田)
2007年 「花空の裏庭」Gallery DAZZLE(東京)

【グループ展】
2020年 「東京好奇心2020 渋谷」Bunkamuraザ・ミュージアム(東京)
2019年 「SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY」ベルリン市庁舎(ドイツ)
2018年 「SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY」パリ市庁舎(フランス)
2016年 「Regard Intense by 16 photographers 」AL(東京)
2013年 「Botanicals」 The Kiernan Gallery (アメリカ)
「六花ファイル」 六花文庫 (札幌)
「一枚の写真から生まれる多様性展」3331 Arts Chiyoda(東京)
2010年 「AKITA ART JUNGLE 2010」 アトリオン(秋田)
2008年 「AKITA カジュアルアーツフェスタ‘08」 明徳館ビルディング(秋田)

【作品出展】
2014年  OFF-ART FAIR BRUSSELS (ベルギー)
     Taiwan photo fair (台湾)
2013年 fotofever Paris (フランス)

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