去年の夏、北海道の最終日に初めての小樽に立ち寄りました。
かつて北海道の石炭がここの港から出荷され、ニシン漁で大きく栄えた北のウォール街。
日本の経済を大きく支えた繁栄は今、抜け殻のように運河の両脇に幽霊のように張り付いている印象でした。
それでもテーマパークがどの時代も常に一定の支持を得るように観光名所として海の幸をふんだんにのせた丼、あるいは時計仕掛けのアンティークの人形などが人だかりを作っていました。
この日はあいにくのお天気、まだ四季でいうと夏のカテゴリーであるはずなのに雨なのか霙なのか判断しにくい冷たい水が街中を覆っていました。

この街に来た理由は大きく分けると二つ。
一つは先ほどの海鮮丼。ごちそうさまでした。
もう一つが小樽の繁栄と衰退の象徴であるオタモイ遊園跡を見てみたいという思いでした。

今はなき夢の跡。
砂上の楼閣ならぬ崖上の楼閣だったのか。不可能とも思えるオタモイ海岸の絶壁に立てられた昭和の竜宮城は大雪や戦争、そして最後は火災により文字通り消え去ったのでした。

オタモイは信仰の場でもあるのです。オタモイ地蔵。

龍宮閣の跡地を見に来たら山の奥にものすごい大きさの駐車場。天気も悪い。
そして自分のレンタカー以外に一台ポツリと。。

この一台が後に。。。

季節的なこともあって道はもう道ではないですね。

あらためてとんでもない崖。

内部が崩壊しかけているトンネル。最近は落石も多いらしいです。

洞窟の中には霊場も。かつて誰も見たことのないような贅と快楽の限りを尽くした歓楽街と地蔵信仰が光と影のように隣り合っていることは興味深い話です。

この先にかつて龍宮があった。
窓一面からこの海を見て憂いを忘れる。必ず終わりのくる夢だとしてもそれをあ儚いの一言でかだつけるか否か。

諸行無常。こんな時間が止まったオタモイ海岸も最近はあのニトリが進出して何か開発を予定しているとかいないとか。

 

蛇足ですが少しひんやりする話も。。
いつしか雨も上がり、車での帰路。つづら折の坂を登っていると。。
自分達以外に一台しかいなかったはずの駐車場から続々と車が追ってくるとgooglemapが教えてくれるじゃないですか。
怖っ!と思って一目散に逃げ出しましたとさ。。

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