色々写真展巡ってきました。
写真新世紀が終わりを迎えたそうです。
写真で何ができるだろう。写真でしかできないことは何だろう。
30年もの間、問い続け、答え続けを続けてきたこの展示。
正直最近は写真の解釈を広げたもん競争みたいになっている印象もあり、どこかせっかくだし見ておこくらいの気持ちだったのですが、二つのギャラリーで同時開催、とんでもない迫力でした。
歴史をざっと振り返る回顧展。自分は前半から中半の表現が好きでした。
写真に何ができるか。
空想や思い出ではなく、目に見えるものしか写せない縛り、あるいは目の前に存在さえしていれば基本写せてしまうという縛りとどう向き合うか。
そういったことを考えるのはただ美しい瞬間に居合わせたこと以上の意味を持つのかもしれません。
会場の一つ品川のキャノンでは同時に玉露さんの展示、Frozen are the Winds of Timeが開催されていました。以前上野の駅で、そしてkyotographieで偶然展示を見させてもらったことのある作家さん。集大成とも言えるブックも見応えありました。故郷に存在する流れる時間と流れない時間。
イメージが先行しがち、近くて遠い中国の日常は日本のそれと比べてどのようなものなのか。とても面白い展示でした。
品川キャノンから恵比寿の写真美術館へ。
こちらはさらに大きな会場。高い天井を生かした迫力のあるインスタレーション。あれこれ解釈を考える前にまず魂を揺らされる。一見しただけで高揚する瞬間が自分にとって宝物と言えるのかもしれません。
また同美術館の2階で野口里佳さん、そして3階で日本の新進作家展が開催されいました。
この中では自分は3階の多和田有希さんの展示がとても印象に残りました。
写真プリントしてからが始まりという考え方はこれからの一つの大きな波になるのかもしれません。
浜辺の写真から水を燃やし泡だけ残す。あるいは写真を燃やしその灰を使い壺を作る。思考の柔軟さの桁が違います。
ちなみに自慢ですが、もうずっと前ですが、お店にお客さんとして来てくださった多和田さんに作品集の冊子をいただいたことがあるのです。本棚にあるので興味のある方はチェックしてみてください。
最後に渋谷。しかもパルコ。
流石に初めてということはないはずですが、しかし前回の記憶が前世だったか否か。
ほぼ日というフォーマットで行われる、牛腸茂雄さんの珍しい写真の展示でした。
和田ラジヲさんのゆるい解説もあり全体的に和やかな、普段あまりない感じの会場雰囲気。
確かになんだか素敵ですが、何が?って言われるとなかなか言葉にし難い感覚をユーモアというものでまとめていらっしゃる。ただそこは、なんとなくわかったような気持ちにならずにもう一歩踏み込んで見てみても面白いのではとも思いました。
他にも色々面白い展示を最近は見まくって、福眼福眼なのですが、そろそろ自分も何かをしたいなという気持ちももやもやと。もやもやと。