休みの日にふと時間が空く時、何か見たい展示を探してふらふらと東京の美術館など行くことがあったりします。
とはいえ上野系(?)をはじめ月曜日の休みがだだかぶりすること多い美術館界隈。
救いの手を差し伸べてくれるのは夜の街六本木へ。昼に。
新美術館、そして森美術館は嬉しい月曜日開館!快感!

そんな恵みのオアシスのような六本木界隈に、どこから目線じゃとお叱りを受けるとは思いますが、相性の問題か、どうも記憶を辿るとズブはまりした企画展がどうも少ないようにも思えます。
特に森美術館。いつも帰り道に森ビルの中で迷子になるし、必要以上にロマンチックな夜景を眺めるのも一人だとなんだか気まずかったり。企画展のタイトルもいつも抽象的でポエム、結局何だったのってことが多いです。

そして今回。その名も地球が回る音を聴く。
意味はやはりわかりません。不安になります。しかしこれがクリティカル。
圧倒的な質量を伴うビジュアル。作品のステイトメントを読み込むとさらに深みが広がってくるような作品ばかり。当初は同じ森ビルで開催していた水木しげる百鬼夜行展、あるいは新美術館で行われていた李禹煥の後に時間あったら行こうかくらいの話をしていたのですが、いやはや、恐れ入りました。
特に印象に残ったのが青野文昭さん、ロベールクートラスさん、堀越真治さん、金沢寿美さん。
みなさん素晴らしかったです。
森美術館さん、改めてすみませんでした。

こちらの黄色い粉末は花粉。下の写真の石室は蜜蝋でできているそう。

こんなにじっくりカボチャを眺めたことが人生であっただろうかと。

北極点で地球の自転に合わせて回ってる人の映像作品。ちなみに地球の回る音ってのはこの人ではなくオノヨーコの文章からきているとか。

自分の中ではハイライト。
震災を経て全く異なる世界線に迷い込んでしまった作家さんの地元、仙台の神社の風景。

新聞紙を黒く塗りつぶし、そして一枚一枚を貼り合わせることでそこに銀河が浮かび上がる。
発想にまず驚き、毎夜それを続けることにまた驚き。マクロで一枚一枚の新聞を見るとコロナやキエフ、トランプなどといった言葉がぼんやり光を放つように浮かび上がる。
ざっくり語られる世界とはなんなのか、コロナ禍という薄暗い時代を生きる自分自身の内側の窓を覗いた世界のようにも見える、展示の最後を締めるのにふさわしい作品だったように僕は思えました。

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