こちらも行ってきました。浅間国際フォトフェスティバル。
手軽に行けるようでいて行ってみると意外と遠い街、それが軽井沢。

浅間山の麓で開催されるフォトフェスティバルはいわゆる美醜や劇的な決定的瞬間を捉えた、そういった類の写真の展示ではございません。
コンセプチュアルなオブジェやシチュエーション、アートを拵えそれを写真に収めたもの、あるいはこの写真をなぜ撮ったのかそういった意味が全て、場合によっては撮ってすらいないネットなどで集めた写真が展示されてたりする、まずコンセプトありき、いわゆる前衛的な作品が非常に多いような印象です。

それが面白い写真表現なのか否か。賛否両論あるから面白いとも言えるのかもしれません。
パンフレットのはじまりの言葉に、写真とは未だ見ぬ世界を見る窓の側面と自己を投影し見つめ直す鏡としての側面がありそのどちらもが本質であるとあります。
なるほど。今の自分にとって、一見しただけではわからない奥行きのある物語のレイヤーとそして深読みしたくなるような印象深いビジュアル、この二つもまたどちらもとても大切なものとして写真を見ています。そういう意味では少し偏りがあったかなとも思ったとか思わないとか。。また多様でユニークな展示風景が続くのですが、この奇抜な展示風景にする必然性がもう少し伝わればいいなと思いました。

個人的にはしっかりと被写体と向き合う美しいポートレート、そして自身が母国で青春時代を過ごせなかった作家の思いが重なるイェレナ・ヤムチュックのオデッサの作品がぶっちぎりで素敵だと感じました。2014年から2019年に撮られたものであって、この時代の状況を意識した作品ではなかったと思いますが、東ヨーロッパ特有の浮遊感と透明感が美しくも危うさを感じさせる作品でした。
他にもキム・ジンヒさん大杉隼平さんの作品が印象深かったです。

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