現在展示をさせてもらっている石下理栄さん。
気泡が封じ込められた深い藍色の氷、うすらい以外の作品をポートフォリオの形で展示期間中お店に置いてくださることになりました。嬉しい!
作品ごとに全く異なるコンセプトで、しかし一貫してその日常の見る角度はとても鋭く、錬金術的なのです。日常が非日常に。宝石が石になり、野に咲く花がブーケになる世界。
ちなみに今回展示してあるうすらいはかつて合体して展示されたこともあったのです。
これはまた不穏で正体不明、素通りできない存在感です。。


初期の作品callingとFlora。
ポジフィルムを合わせて現像する手法とクロスプロセス。
美しさ、可愛らしさにほんの少し手を加えただけで発光する艶と毒。

こちらは秋田で暮らしていた頃の海辺の作品。
冬に打ち上げられるハタハタの卵。染められたような赤い雪が積もる海岸。


最後にTokyo Metro People
こちらは昨年BUNKAMURAで行われた東京好奇心でも展示されていたシリーズ。
関東に住んでいる人なら誰もが既視感のある東京メトロの向かい側。
何万という人々が乗客が毎日だいたい二回以上見るこの光景も、二度と現れない一期一会の瞬間と思うとなんだか急に愛おしく思えてきたりもします。

個人的には電車の中というのはその土地で暮らす人々の生活の縮図のようにも思っていて、陽気におしゃべりをひたすら繰り返す人々の国もあれば、絶対に他人とは話さず携帯を見つめ続ける寡黙な箱の中もまた我々を表す一つの象徴として興味深いものです。
しかし作品の中の我々はそういった自分の思い込みとは違う、個性的なファッションの老若男女は実に生き生きとこれから向かう先、帰る家までの時間を、それぞれがとことん謳歌しようとしているように見えてなんだか気持ちが高鳴りました。

これらのファイルは店内に置かせてもらっています。
ぜひ手にとってご覧になってください!

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