渋谷の松濤美術館で行われていている船越桂さんの展示、私の中にある泉へ行ってきました。
以前に庭園美術館で見た展示が忘れられずの再度訪問でしたが。。嗚呼、今回もまたすごい。
ロボットやアンドロイドではなく彫刻なので当然木の彫り跡などは残っていて、中には手がとんでもないところから生えていたりもするのですが、船越さんの作品はそれでもどこまでも人。生者の気配がひしひし感じられるのでした。
それはやはり瞳に宿るものなのでしょうか。
そもそも人が人を人と認識するのはどの部分なのか。
能面などにも感じられる、意識の気配。そういったものが生み出す気配や視線を無意識に感じているのでしょうか。
綺麗なお姉さんから少し神経質そうなお兄さん、やがて徐々に中性的になり、人からそれはスフィンクスと呼ばれる高位な存在へ。

彫刻と同じくらいに興味深いのが作家さんのメモ。
思いついたことを紙の破片に殴り書きするのですが、これがもう意味深すぎて。。
遠くに旅ができない時でも、思考や意識を深く深く旅することはできるはず。
お店にある大好きな船越さんの本、その名も、個人はみな絶滅危惧種という存在。
これは作品の写真集というより思考の破片をつなぎ合わせたパッチワークのような一冊。本棚に置いていますのでよかったら。

最後に少し。松濤美術館の建築としての美しさも素晴らしかった。
入り口から全貌は全く掴めないのですが、回廊のような展示室の内側に噴水。
その水が照明を乱反射させ回廊をゆらゆらと照らす。
いつか夢の中で歩いたような風景。

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