お店に遊びに来てもらったことがきっかけで、ご縁が繋がりで仲良くしてもらっている舞踏家の金敬雲さん。
僕はとにかくその人柄が大好きで、舞の事を語る時にいつも丁寧で、時に計り知れないほどの大きなスケールで、そしてちょっと不思議な表現を交えながら、金さんの内面の世界、そして世界をどのように認識して感じているのか、そんな話をしてくれて、その世界に魅せられ、いつも鼻息荒く興奮をしています。
なかなか舞踏のタイミングが合わず、いつかいつかなんて思っていたら、それはとんでもない場所とタイミングでやって来ました。


今年の初め、鳥取を旅しているときに、本当に偶然、ジュピタリアンヒルで今夜舞うという想像が及ばない謎のメッセージをいただき、それが鳥取の象徴でもある大山の麓にある何やらボヘミアンな集落であると知った時は本当に驚きました。
ちょうど、まさにその大山の中にある豪円湯院という場所で温泉に入ろうとしているタイミングだったように記憶しています。

なんやかんやあって、少し遅れて、日もどっぷり沈んでからの訪問。
外灯ゼロ、というか一切の灯火がない農道を進んでいくのですが、キツネやタヌキの類にばかされているのかというくらいの闇の中、それは突然現れました。
焚き火を取り囲む人々と藁を編んで作られたような小屋がいくつか。
エントランスも特になく、どうも〜なんて言いながら、心の中ではここはどこですか??といった心境。
しかし不思議と落ち着き、なんのこっちゃわからないままくつろいでいるとゆっくりとガムランのドラのような音に乗って白い仮面をつけた怪しすぎる翁がゆるゆると踊り始めました。

金さんでした。
流れる水のような、そして時に燃え上がる火のような。
いったい俺は何をみておるのか。少なくとも人間ではないことには自信があったのですが。。
それは本当に素晴らしい、そして幻想的な夜でした。
徐々に目も慣れ、これまた舞踏をされているアンリさんとも合流でき、色々な小屋を案内してもらいました。とんでもない造形の縄文式土器があったり、切り株や流木をそのまま家具にしたようなアート作品が次から次へと。凄い場所です。

その後も火を囲み宴は続き、僕たちは一足先にお別れして鳥取砂丘の方に向かいました。ちなみにその夜は車中泊で超寒かったです。。


そんな金さんの舞台を再び見るタイミングが訪れました。
今回はライブでなく映像作品の中で。しかも場所はプラネタリウム!!
さいたま国際芸術祭2020に出品のドーム映像作品「double(ドゥーブル)」飯田将茂さんの作品です。
コロナで上映が遅れておりましたがついに上映。しかも嬉しい月曜日。
せっかくだからと鉄道博物館以来の大宮を彷徨いまくり開演前からテンション高いです。余談ですがパスタの盛りが凄まじかった。

作品は流し雛を着想を得たとの話通り、随所に現れる波や泡といった水のイメージ。
そして天上世界いっぱいに現れました。怪しさ極まった中に、感じる美しさ、隠し味の懐かしさや醜さといった様々な感情。完全にぶっ飛びました。
そこから球体人形と最上和子さんの世界へ。導入部の布を引きずるイメージがあるのですがこれがまた凄かった。。
作品は予約すればまだ観れるのかもしれません。ぜひ大宮で視界いっぱいの異界を体験してください。詳しくはこちらへ
https://art-sightama.jp/jp/project/uFoQjFOO/

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