100年後芸術祭。前回東京湾側の作品見学のことを少しだけ書かせてもらったのですが、今回さらに山の中、奥深く。市原の使わなくなった学校や商店を使った作品を見て回ってきました。

興味深い作品ばかりだったのですが、実は御贔屓、というかファンの作家さんがいらっしゃいまして。それ冨安由真さん。
瀬戸内芸術祭、KAAT、あるいはホテルニューアカオ。
現実と非現実の間、絶妙の不気味さと妄想で演出される空間がすごい。
シャイニングとかデヴィッドリンチとかの映画に出てきそうな、この先進んだらだめよーって思いながらもなぜか抗い難い好奇心でついつい。。シャンデリアとかついつい点滅してしまう世界観。

今回も廃校という絶好のロケーションでかましてくれていました。
ヤコブの梯子、そしてエメラルドシティに落ちる。
子供の頃、夕暮れ時を過ぎ静かになった学校にどこかひやっとする感覚。聖なる場所がなぜそこになったのかが突き詰めるとそれが直感的なものなるように、自分以外の多くの人が潜在的に本来これ以上ないくらい健全な学校に神秘を感じるのは不思議な話です。
上昇と落下、そして意味わからんけど圧倒的な存在感を持つ鹿の剥製とレーザーという組み合わせ。

僕は小さい頃から見知らぬけどなぜか知っている白い街で手すりの無い螺旋階段から落ちる夢を何度も見たことを思い出しました。作家さんはエメラルドの塔からよく落下されていたそうです。

冨安さんの世界だけでもとんでもないのに廊下を歩いていると、奇妙という言葉では足りない、この世のものとは思えない歌声が聞こえてきました。
扉を開けるとそこにはアニマーレ合唱団。
怪しい気配とかではなく、直球の妖怪でした。

呆気に取られて、それでも離れ難い魔力を感じ何度も彼らの歌声を聴き続けてしまう。
突如なりだすドラムなど腰抜そうになりました。
あれはなんだったんだろうと、その後も思い出しては鼻歌歌ったりしていたのですが、あれはペットの側から飼い主に対するメッセージソングだったということをつい先ほど知りました。なるほど。アニマーレ。

月出という山の奥で最後に見た作品がかなりインパクトあってニンマリ。
アホほどでかい椅子。隣接する古民家では土間に穴を掘られたりタンスが床に沈みかけていたりとやりたい放題ですが、どこか座敷童の悪戯のような可愛らしいユーモアを感じてほっこりしました。ドローイングも素敵です。

それにしても広い広い会場。移動は大変ですが、隣の県にこんな面白そうな所があるなんて!と発見もたくさん。
まだまだ見切れなかった作品も多いので何か機会があればさらに千葉の奥地へ旅をしてみたいなと思いました。

 

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