少し前の話ですが秋田県、男鹿半島を巡ってきました。おそらく日本一有名な妖怪、あるいは来訪神のナマハゲで有名な不思議な雰囲気の漂う土地。いつの間にか愛されキャラになっているけど出刃包丁片手に家に乗り込んでくるって、凶悪極まりない。
男鹿といえば10年ほど前の大晦日に旅をして、海岸沿いで見たとんでもない吹雪と、それに抗うように必死で羽を動かす海鳥の群れがとても印象深いでした。
その時の世界の果て的なイメージが強かったから穏やかな海岸線沿いに大きな風車が連なって回る風景はとても牧歌的で少し拍子抜けしてしまうほどでした。

さて、冒頭のレッドとブルー、仁王立ちする二人の巨大なまはげがいる観光案内所で知ったのですが、真夏一歩手前の男鹿半島はやはり大晦日に現れる彼等は季節外れ。それより雲昌寺というお寺で咲き誇る青いアジサイが有名だそうです。奇しくも満開ど真ん中。ちょうど近くも通るということでお邪魔させてもらいました。
もう専用駐車場がパツパツになるくらいの人気。とは言えこちらアジサイの名所鎌倉を要する神奈川からですぜ、花がたくさん咲いていますくらいじゃビクともしませんぜ、、なんて思っていたらぶっ飛ぶほどの青、青、青。
たわわに成長しすぎて埋め尽くされ消えてしまった通路もある様子。すごいわー
浮花?幻想的なアジサイスープみたいなのもディスプレイしておりました。福眼福眼。

ただこちらのアジサイ人気が凄すぎるためかお食事どころが見つけられず危機一髪。
屋台で発見したなまはげバーガーとしょっつる焼きそばになんとかお腹を救出してもらいました。
もう一品、注目に値するストリートフード、その名もババヘラアイス。微妙にコンプラ的な名前のことはわかりませんが秋田では知らない人はいないソウルフード。海を越えてカンボジアでも愛されているとか。
アジサイに見立てた限定のブルー仕様。少し都知事にも似てないこともない、ステキなナイスミドルがサーブしてくださいました。
その後カフェを経て個人的にメインイベントの一つ、真山の万体仏。とんでもない数の地蔵菩薩が小さな堂内に溢れております。その数実に一万二千だとか。
一体一体手作り。当然微妙に顔つきとかも違っていてグッと近寄ったり、少し離れて眺めたり。
マジで半端ないです。うねりすら感じる仏の群。恐ろしさは不思議と無く、プラネタリウムと言いますか、このお堂自体が立体曼荼羅の様相。
そしてそのすぐ近くにある真山神社。
冬にはナマハゲ祭りが行われる男鹿の精神世界の核となる、聖域。
奉納されていた丸木舟。
かつては丸太をくり抜いたこの船で日本海に漕ぎ出した。半島にとって海との関わりは大地を歩む事とほぼ同義。

仁王と御神木。
御朱印をお願いすると、料金はお気持ちでお任せしますとのこと。信頼が嬉しいけどちょっとドキドキ。

最後に訪れたのが半島の北の端。一つの最果て、入道崎。
まさかのUFO推しに驚く。
ここには漂流物を探しに訪れました。というかもうずっとこのところの旅は海とその先を行き来する漂流物、あるいは物語や文化、魂のようなもの。
海の向こうはウラジオストック。
生憎、と言ったらいけませんがなんともゴミの少ない綺麗な岬。かろうじてキリル文字の書かれた帽子を回収することができました。
漂流物としては物足りなかったけど、優しい光に包まれたこの岬。浜辺特有の夕顔のような花を眺め、波の音を聞くだけで満たされた思いになりました。

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