先日訪れた庄内旅、ハイライトは出羽三山がひとつ、過去を司る月山への登山でした。
往復で4時間ほどの、登山としては比較的ライトな部類に入るだろう月山ですが、この夏訪れた白山での登山があまりにも悲劇的で、その疲労は肉体を超え精神の奥までがっつり蝕み、しみ込んで消えないのです。
トラウマといっても過言ではない恐怖ややがてデーモンへと姿を変え、最後まで痛い目に合うぞ、、やめときなはれ、、などともにゃもにゃ耳元で囁くのです。。
だがしかし、前回のバックパックからの異臭事件に比べれば天気、体調、全てが順調。月の神がGOサイン出しているとしか思えない秋晴れの中、紅葉の山肌を軽やかに登る登る。
今回の登山のスパイスは何と言っても自炊。山頂カレーです。
とはいえこちらは素人の中の素人。
しかも10年前に買ったバーナーだけは持っているものの、他コップが一個あるだけ。
何ができるのか。そして山頂に水はあるのか。ネットで下調べすると山頂の山小屋では温かいラーメンやカレーが食べれると。その信憑性も何もない情報を鵜呑みにしてコンビニで買った飲み水、400ミリのペットボトルと雪平鍋一個持って頂上へ。

そんな山の頂で僕らを待っていた現実はコロナのためか、シーズンの終わりだからか、閉鎖されていた山小屋でした。

貴重な飲み水で湯を沸かし、カレーとご飯をゆで(レトルト。。)そしてその湯でそれを紅茶にして、水筒に戻す。。閉まらない蓋を閉め、蒸気すら無駄にしてはならぬといった決意と覚悟のクッキングタイムでした。


ま、そんなドタバタはあったものの、概ね順調。初めて最後まで楽しいと思える登山だったかもしれません。
古くから信仰の対象になっていて、人は死後、月山を経て天に帰ると聞きました。
僕は人の死後、魂のあり方に明確な物語を持っている土地の話を聞き、旅をすることにとても興味を持っています。大切なのは信憑性ではなく、物語を心に宿す事でどう生きることができるかではないかと思うのです。

いつかまた訪れる時は羽黒山、月山、そして湯殿山と縦走する修験道で生まれ変わりの旅をしてみたいです。現世から過去、そして未来への旅。

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