日頃の煎餅布団が心身に染み込んでいるからなのか、コテージのふかふかベッドに馴染みきれないまま森の夜は明けました。
ダイエット中にも関わらず、またしてもオーバースペックの朝ごはんバイキング。
子供じゃあるまいしバカぐいしたいわけではないのですが、やはり目指すは全食種制覇。おかゆとクロワッサンとカレーを主食におかず三昧。目も当てられません。
さらには朝風呂きめたりして出発は遅れに遅れていくのですが、まぁそれはそれ。
目的地はもう一つの美術館という名前の美術館。

途中立ち寄った黒羽ふるさと物産センター。がっつり古民家を解放して、剥製や籠の展示。これぞ日本の原風景といった場所。コオロギやメダカが売られていたりする中、やはり気になるのは新鮮なお野菜。冬瓜を中心にがっつりいかせてもらいました。やがてカレーとなり、ご提供できればと思います。

そしてようやく到着してもうひとつの美術館。
昔使われていた小学校を使った展示場は欧米のルネッサンスとか肖像画、いわゆる国宝とかっ重要文化財といった芸術の生まれる前の、衝動をそのままぶつけた表現。アール・ブリュットやアウトサイダーアートなどと呼ばれることもある作品とそれに通じるスピリットを持ち合わせている作家さんの企画展。

とにかく雰囲気がよろしいのです。山と畑の間。いわゆる里山の風景に溶け込んだ時間が止まったような小学校。明治か大正か、蓄積された時間の積もった教室に飾られていたのは無数の能面。これが本当にやばかったのです。
いわゆる小面から般若、そして翁などの人なのか成らざる者なのか境界線をまたぐような存在の面。じっくり見ることができました。
個人的に一番揺さぶられたのが泥眼。少しくたびれた女性のような存在なのでしょうか。何が小面と違うのか、うまく言えないのですが目に何かが宿り、髪の毛に少しだけ乱れるものがあるだけで、こうも表情豊かに、何か良からぬことの予兆のようなものがはっきりと見て取れるだなんて。


他の作品も素晴らしいものばかり。とにかく迫力に飲まれます。
念がこもっているとかよく耳にしますが、正直あまりそういうのもは例えというか比喩としての存在、と思っていたのですが。
微笑ましいものから、正直直視するのが痛々しいものまで。すごい。


物販や併設されたカフェは雰囲気一転。実に心地よいです。
こちらでは、バンザイマンと正己地蔵を購入。
山際正己さんの作品。
ちょうど先日、上野でみたあるがままのアート展でも群衆を見かけた山際さんの分身。
驚きのワンコイン。令和の円空仏になるのか。


茨城に入って訪問さてもらったのは善光寺さん。
こちらは残念ながら屋根、というか建物のほぼ半分は崩壊。
廃寺という存在に興味があってはるばる山の中訪問させてもらいました。
永遠の命を持つ神仏がその役割を終える時とはやはりその存在を忘れ去られた時なのでしょうか。
廃寺といえば妖怪、野寺坊ですが、境内の中で鳴くセミの音が不思議な反響のせいでしょうか、聴いたことのない響きに感じました。なんとも言えない声のような。。


最後に訪問がつくば実験植物園。もう那須からとんでもなく離れたところまで来てしまいました。
もちろん遠いのは知っていましたが、月曜日がお休みの施設が多いこの国で、方角が一緒というだけでついつい駆け込んでしまいます。
とは言え、こちらは流石に不完全燃焼。でっかい温室をぱぱぱっと見て回るにとどまりました。
つくばといえば地質標本館、そして何と言ってもjaxaをはじめとする宇宙施設!
これはまた改めて訪問しないといけません。
それでも気になっていたショクダイオオコンニャクの姿を拝むことができ感無量。
そんなこんなの怒涛の旅でした。ゆっくりするがコンセプトだったはずなのに。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください