バルト海を渡りこの旅4カ国目、スウェーデンへ。
ロシアからフィンランドへのような目に新しい変化は無く、なにか横浜から東京に出てきた、それに近い感覚が船から出た時の印象でした。
それでもお金はユーロからクローネに。話す言葉ももちろん違います。
街を歩くにつれ驚いたのがその都市としての規模。文字通り町から街へ。北の大都は自分のイメージを超えて白夜のように輝いていました。
もう一点、行った事ないですがパリ、あるいはニューヨークのように様々な肌の色の人が自然に解け合う雑踏。
これはヘルシンキ、モスクワ、あるいは東京とも違うコスモポリス。
なにやら刺激的な滞在の予感です。
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ストックホルム到着後、最初に足を運んだのは市立図書館。
アスプルンド設計の書のパノラマ。
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コロッセオよろしく、本を読むというより本が読み手を値踏みするような感覚。
人と書と。読むか読まれるか。僕らの図書館戦争!
という妄想に苛まれる事ももちろん無く、地元の読書家皆さんの憩いの場として静かな活気に満ちていました。
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天井作れば書数増量、収納上手なのにと思うのは野暮助。
大切なのは空間の質。
世界に胸を張れる読書空間が身近にある贅沢、本当にうらやましいです。
自分も読めない書を一冊取って幸せおすそわけ。
もう一点、こことは別の児童書コーナーに世界中の絵本が置いてあった事に興奮。
英語、スペイン、ヒンドィー、ペルシャ、ベトナム、中国、そして日本などなど。
子供は旅人以上に国境を越えて夢を見ます。
今までの旅で市民図書館に足を運ぶ事、あまりなかったのでここが特別なのかはわかりかねますが、自分が何かの拍子に引っ越すことがあるのならばストックホルムのような街に住みたいなとぼんやり思うのでありました。
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図書館近くのアンティーク雑貨屋さん。
いわゆる北欧雑貨のマニアではありませんが血圧上がらざるをえない素敵な食器が盛り盛り盛り!
マニアの方は鼻血対策をしていった方が懸命かもしれません。
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図書館の次は墓場へ。
こちらもアスプルンド設計、森の墓地。
道訪ねる時、最初は観光客がお墓に行きたいなんて‥と思われるのがいやで躊躇していたのですが、
すぐ、すぐ、ここから超すぐ!ようこそ我らが自慢のお墓ちゃんへ!中は広いから迷わないように。わっはっはっは。位のテンションで行き方を教えてくれた事がなんだか不思議な感覚でした。
しかしなるほど、気持ちのいい青空、なだらかな丘の上、逆行に照らされた巨大な十字架。
遠近感が狂い、ぼんやりと白昼夢のような風景の中を導かれるように前に進む。
そこに陰気な気は微塵も無く、あぁ、天国ってこんなんかも。
月並みですがそんなハレルヤ感がぼんやりした頭に満ちていくのであります。
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これはスウェーデンに限った事ではないのですが北欧の教会が本当にかっこいい。
バロック、ゴシックのこってりした空間ももちろん大好きなのですが、普段使いの美、引き算で考える余白の美が気持ちいいです。光を大切にする高緯度の国ならではの照明のこだわりもおしゃれっす。
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ここに埋葬されたいなーと思えるはじめての場所でした。
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グスタフスベリのファクトリーアウトレットもお邪魔してきました。
下からの視線にどきどきです。
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ヘルシンキ中心部、旧市街ガムラスタンの細い路地。
石畳とランタンと長い夜。時計の針は動かない。
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紅葉纏い住宅。
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大天使は路地裏で竜を刺す。
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夜行で入国、そして夜行で出国‥。常軌を逸したスケジュールでの滞在となったストックホルム。
それだけに朝から晩まで駆け巡ったのですが、やはりもっとゆっくり滞在したかったです!
預けた荷物を引き取り、24時間を待たずして最後の訪問国ノルウェーのオスロに向かいます。
最後に蛇足ですがもう一点、まだできて間もない写真美術館Fotografiskaが最高なんです!
今回の旅で訪れた美術館の中でマイベスト。写真好きの方は是非!