モスクワ地下鉄がやばかったです。
路線数実に12。我らが世界に誇る東京アンダーグラウンドの13にこそ及ばないもののビギナーを地下迷宮に封じ込めるには十分な数。利用客数も世界二位だそうです。
しかし恐るべきはその数ではなく醸し出す鬱蒼としたオーラ。
そう、地下鉄なのにオーラ醸しちゃってるんです。
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モスクワアンダーグラウンドはエスカレーターに始まりエスカレーターに終わるといっても過言ではありません。
上下ともに二車線、しかし大抵の稼動しているのは共に一車線、これに謎のボックスに入ったケルベロスのような見張りのおばちゃんが一人。これが基本構造になるようです。
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このエスカレーター、まずとんでもなく長い。
地底人のアジトにでも繋がっているのかという距離と時間。
そして音。BGMなどはもちろん無く、グオングオンというモーター音。
これが魂に響きます。はて、仕事を休んではるばるモスクワまでやってきたけどこれは本当に現実に起きていることなのだろうか、そもそもここは本当に地下鉄?工場?ベルトコンベア?私は納品待ちのロボ?
そんな危険な妄想に囚われる、トランス誘発型。心折れます。
無言で黒いコートを羽織、何か思いつめた顔をしている方多い印象でしたが、もし陽気な第二次ロシア革命が必要なら、このエスカレーター改革が何か大きな一歩になるのではと思うほどに強烈なソビエトの残り香でした。
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そんなビジョンクエストにも似た長い旅路を終え辿り着いた世界はまさかの地下宮殿。
おら死んじまったのか?
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黄金色の空に象徴的な赤い星、そしてシャンデリア。
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駅によってモチーフは全く異なるようです。こちらはなぜかフットボーラー型石像。
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こちらはアバンギャルド風。ハラショー!
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駅がアールヌーボーである必要はおそらく全くないとは思いますが、例えば綱島駅がこんなステンドグラスで彩られていたら‥妄想特急が通過します。
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層を成す地下都市、これから先このパラレルワールドのような空間は市民の足という手段を超えより広く、より細かく、そしてよりマニアックにさらなる膨張を続けるのでしょうか。