仕事の合間にふわっと行ける美術館に大好きな川崎市岡本太郎美術館があります。お店から車で30分ちょい。
ここで毎年行われているTARO賞の展示が本当に凄くて。ここ数年刺激を求めて通い詰めております。
展示であると同時に公開型のコンペでもあるこの企画、名前やこれまでの実績で選ばれるわけでもなく、また受賞のコツを掴んで昨今の流行や綺麗にまとまった作品を出してくるわけでなく、どこまでも激しく、狂っていて、それでいて愛のある作品がずらっと。
なるほど芸術は確かに爆発しているのかもと唸らされます。

そんな過去のtaro賞を受賞された作家さんから3人を選抜しての企画展。ずばり私は版画作家の若木くるみさんのファンなのです。これは見逃せません!

いきなり本丸の顔拓!自らの後頭部に似顔絵を描き拓を取るという考えたこともない手法。奇抜なだけなじゃなく絶妙に上手いのがまた面白いです。
人を笑うことではなく、人に笑われるでもなく、人を笑わせることのかっこよさ。

どこか保守的なイメージを持っていた版画。しかしこうでなくてはいけないという壁を取り払えば凹凸さえあれば何にでも版にすることができるという着眼点。テーブルやしゃもじから森の樹木、フィットネスマシーン、街のアスファルトにまでその可能性を見出す発想と感性に痺れまくりました。

表現方法の昨今といえば、今やだいぶ保守的な存在となったのかなと感じることが写真にもあります。
携帯の普及に伴うお手軽な画像編集、そして極めつけはAIによる画像生成。
昔から続く表現方法が悪いとは1ミリも思っていませんが、少なくとも自分が興奮していられるくらいには解釈の幅を広げ視野が広がるような表現ができたらいいなと思うのでした。

内海聖史さん、大西康明さんの作品も空間を贅沢に使った展示。
来月にはまた新しいTARO賞の展示があります。見逃せないですね!

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