体感8割以上の美術館が閉まる月曜日に営業してくれている六本木界隈。
とある月曜日の探索を徒然と。

新美術館で大巻伸嗣さんの真空のゆらぎ。
空間を贅沢に使ったインスタレーションが好きで展示や作品があるといつも楽しみにしてしまう作家さんですが、巨大なランタンのようなこの作品もまた圧巻!
灯がゆったり上下にスライドし、無数の影が踊り出すようにゆらぐ空間は幻想の中。

奥の部屋のインスタレーションも凄かったです。
押し寄せる大きく静かな波、あるいは北極圏の空のような薄い布が揺らぎ続ける作品。
薄い素材が風に揺られ続けているのかとも思いましたが室内は無風。音もなく、気配もなく揺らぎを続ける空間はなぜという理由を超え、不思議な安らぎを与えてくれたように思いました。

新美術館では同じタイミングでイヴサンローラン時を超えるスタイル、渡辺篤さん私はフリーハグが嫌いの展示も行われていました。予備知識ゼロで新しい美や考えなくてはいけない社会や人間の問題と出会えることは大きな美術館の醍醐味の一つであるように感じます。
正直イヴサンローラン、イヴさんという女性の方だと思っていました。あとどことなく¥マークを連想させるシンンボルもこちらのものでしたかと一人納得。
それにしても同じく予備知識ゼロで挑んだクリスティアンディオールと同じく観客のお客さんのおしゃれレベルは天井知らず。恐縮いたします。

渡辺さんの作品はちょうど清澄白河の現代美術館の「あ、共感とかじゃなくて。」で作品を見たばかりだったので興味深く拝見させてもらいました。
消えてしまいそうな小さな声、あるいは声なんてあげなくても確かに存在しているんだという主張は、作家さん自身が引きこもり生活を経て今があるという経験が見る人の心の深いところに届かせるのかなとも思う次第でした。

そう思うとどんな無駄だったと思う日々も経験してみないと本当のところで同じ悩みを抱える人に何かを伝えることは難しいのかもしれません。どんな人でもその人にしかできない何かというのは存在しているという希望。

逆にあまり入り込めなかったのが森美術館の私たちのエコロジー。
アピチャッポンの映像作品やホタテの殻の上を歩く部屋など興味深い作品もありました。
しかし前回の展示の壁パネルをそのまま使うなどエコロジーへの配慮をしていますとありますが、この展示の次も恒久的にこのままでいくのでしょうか。それが一時的なポーズなのか、森美術館の覚悟なのか。今後の在り方にも注目させてもらおうと思います。
作品の合う合わないもありますが一歩外に出ると年丸のイルミネーションでキラキラ光る六本木。完成したバベルの塔のような森ビルでこのテーマを扱うことはなかなかに難しいなと思ったりもして正直入り込めなかった感もありました。
それでも大ファンのさわひらきさんのインスタレーションに癒されたりほくほくする時間も多々。

そういえば東京上空では並行してブラックジャックと北斗の拳の展示が行われていて、そちらの方は盛況だったご様子。
結局人気があるコンテンツは漫画かね。。なんて思いながらも実はどちらの作品も実はかなりファン。
入館することはありませんでしたが聖帝サウザーの名言にお師さん。。と呟きながらもじもじしていました。。

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