1124-01月曜日が祝日であってもお休みを頂いている、最近では稀有な存在のpointweatherですが、やはり普段土日がお店から離れられないので世間様と休日の喜びを共有できる祝日の月曜日はどうしてもいつもよりうきうきしてしまいます。
特に美術館は月曜日休みの所が多くてせっかく首都圏に住んでいるにもかかわらずあれよあれよと言う内に会期が過ぎてて地団駄を踏む事がしばしば。
この日も気になりながらも最終日を迎えていた世田谷美術館の展示、その名もユートピアを求めてに行ってきました。
ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム。勤労感謝の日に見に行くというタイミングに一人にやっとしながら行ってまいりました。
image時代を反映させる芸術とプロパガンダ、帝政ロシアの黄昏からスターリンまで。ネップや五カ年計画とリンクして変わる主題や作風が面白かったです。
君も作ろうアバンギャルドポスターを!みたいなワークショップもあったりして固くなりがちなテーマをいい感じにもみほぐしてくれたりと面白い展示でした。
自分も一人それっぽいキリル文字採取してpointweather?と問いかけるのです。
1124-08図録も買っちゃいました。
幻のロシア絵本とはるばる埼玉近代美術館まで見に行ったロシアの夢1917-1937展の図録と共にコミュニスティックな赤い書棚。
結果的にはおそらく失敗だったのでしょうが当時の理想郷を探す熱、世界革命にかける想いは今現在から追妄してもついつい興奮気味になってしまいます。
1124-02世田谷公園から用賀まで歩いて、そこから一気に九段下。日本武道館とインド大使館を横目に東京国立近代美術館で展示が始まった奈良原一高さんの写真展示、王国にやってまいりました。
入口にはマーク・クインのヨガのどでかい作品が。
1124-10ケイト・モスと二人。なんだか警備員のおじさんもやりにくそうです。
1124-09そんなことよりも写真展です。
北海道の修道院と、和歌山の女性刑務所、どちらも完全に日常生活からは隔離された世界。横浜トリエンナーレ、それに写真美術館のコレクション展、スピリチュアル・ワールドで作品を見て以来ずっと気になっていた作家さんでした。
およそ国内とは思えない緊張した空気感。同時に開催されていた軍艦島、鹿児島の黒神地区の作品と合わせて隔離された空間について色々考えさせられる展示でした。

展示に添えられたカミュの詩の引用、その中央にヨナは実に細かい文字で、やっと判読出来る一語を書き残していた。が、その言葉は、Solitaire(孤独)と読んだらいいのか、Solidaire(連帯)と読んだらいいのか、分からなかった。
そんな一文がいつまでも後を引きました。
1124-03そして九段下から渋谷。いつか見たチベット映画、雪の下の炎以来でしょうか。本当に久しぶりのUPKINKさんに寄らせてもらいました。この日は以前より気になっていた聖者たちの食卓がお目当て。

2000年もまだ新年だったころでしょうか、インド北西アムリトサルの黄金寺院で自分もカレーを頂いたことがありました。その当時はえらいことになってると思いながらも計り知れない規模の氷山の一角を体感したにすぎなかったと改めて知る作品。
実に数万人単位の人にカレーを振る舞う、そんな日常をひたすら追いかけたドキュメント。
若かりし日の記憶に火がついて興奮しながら席に着くものの淡々と進むカレー作りにまさかの熟睡。構成や盛り上がりを無視した作りもどこかインド的です。
それでもタブラの音に乗って焼き上がるチャパティをひっくり返すおっさんやどでかい鍋をこねくり回すシーンは彼の地のファンにはたまらんものがあります。
個人的に圧巻だったのは食事よりもあとかだつけ。喧嘩かと思うほどの皿の投げっぷりに一人劇場で笑ってしまいました。
小さなスクリーンとは言えやはり劇場で作品を見るのは面白く、そして計り知れないインド力に改めて惹かれるのでありました。

蛇足ですが黄金寺院を祀るシーク教徒は髪とひげを切らずターバンで巻くことで有名ですが当時、今以上のロンゲヒゲだった自分はいたく気に入ってもらえて結構熱心に勧誘してもらったことありました。
あの時改宗していれば今頃自分もカレー10万食作っていたのかもしれません。
そんな人生もまたスパイシーで素敵ですね。
1124-04この頃にはへとへとになっていましたが最後に青山のSPIRALさんで開催中のインスタレーション、LIGHT is TIMEに行ってまいりました。イタリアで行われたデザインの祭典ミラノサローネで受賞作品の凱旋作品ということで期待はぐいぐい高まります。写真は時計のねじ。作るのも凄いけど並べるのまた凄い。
1124-05もうキラッキラです。時計の基盤部分が星の様に空を舞い惜しげもなく輝き続ける様は圧巻の一言。その金粉の様な色彩からか個人的にはどこかカミオカンデを連想したりしなかったり。
1124-06それにしても時間を象徴する時計に支配されるこの空間。どんな生き物や万物の法則も、ひょっとしたら神様ですら逆らえない圧倒的な力を改めて感じると少しだけひんやりした気持ちになります。
毎秒毎秒、自分や大切な人は死に近づき、世界は終わりに向かって進んでいるのです。
1124-07だからこそ、有限だからこそあらゆることに意味が生じるのでしょうか。そう思いたいものです。
それはさておき、クリスマスも近くなってきた空から舞い降りてきた天使の祝福の様な金色の雪。是非体験してみて下さい!

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