先週の月曜日、僕が一番大好きで尊敬している写真家、石川武志さんの写真展MUMBAI HIJRASに行ってきました。
ムンバイという世界的を代表するメトロポリスの中で男と女、神聖と差別、神話の頃から現代まで狭間の中をたくましく生き抜くヒジュラに迫るすごい展示でした。

今の時代LGBTにも理解を示さなくては社会的に取り残されていく。そんなイメージやトレンドの中の多様性でしか自分と異なる価値観を判断できない社会では、第三の性と言われるヒジュラのことを本質的に理解することはできないのではないか。
これは例えば自分の知らない国から渡航してきた異なる文化を持つ人々、あるいは社会が決めた枠組みや損得に収まることを良しとせず、自身の判断と価値観で生きていきたいと思う人々に向けられる眼差しが抱える問題に近いものがあるのかもしれません。

共に暮らし相容れないところは話し合う勇気、知らない世界を知る喜び。そして喜怒哀楽を共にしてはじめて理解が生まれるのではないかと改めて思いました。

どんな生き方にでも幸せはあるし、人に勇気や感銘を与えることはできる。
美しく、時におどけたり怪しく輝くヒジュラの生活から学ぶことはとても大きいです。

それにしても関係性を築くのに相当な時間と努力、忍耐、そして人間力が必要な取材だったと思います。
作品同様、慈しむようにヒジュラとの出会いや過ごしてきた時間を話してくれる石川さん。
その眼差しはとてもまっすぐで、本当にヒジュラのことが大好きで愛情に満ちているように思いました。
愛を素直に表現できる人はかっこいい。

インドの不思議な文化の紹介ではなく、一度しかない人生に対する讃歌のような作品。
新宿のOM SYSTEM PLAZA。残りの日数少なくなってしまいましたがぜひ足を運んでみてください。

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