山陰と聞いて真っ先に思い浮かべるのは出雲大社でも鳥取砂丘でもなく、当たり前のように水木しげる先生をめぐる巡礼路。その名も水木しげるロード。
これでもかと言わんばかりに巡礼路を跋扈するブロンズ妖怪、その数実に177。
おなじみ鬼太郎ファミリーからマニアックな地方妖怪までがっつり網羅して僕の鼻息を荒くします。
お約束のマイフェイバレット、小豆洗いとショキショキさせていただきました。
ちなみに相方で小豆はかりという妖怪がいるとのこと。勉強不足でした。
測って洗うコンビネーション。

そんな百鬼夜行のような商店街の中でぶっちぎりで容器を放っていらっしゃったのが妖怪ショップゲゲゲさん。

ベアード!妖怪ラリー!!
店内には店長さんが作られたフィギュアなどが所狭しと置かれています。

水木先生もよくいらっしゃったという店内で色々お話をお伺いしました。


有名な音楽家さんや俳優さんもよく遊びに来られるそうですが納得のこだわり。
型をシリコンで作って店内で製造。大きな工場で大量生産される商材としての妖怪ではなく、てまひま、何より愛情が込められた品ばかり。

お話も本当に楽しく、控えめに言って最高。
最大のリスペクトを込めて店長さんこそが本物の妖怪のような方だったなと改めて思いました。

憧れのビビビの兄貴とも河原で。

途中のパン屋さんで販売中のファミリー。セット販売もやってらっしゃいました。抱きしめたい。

ここからは水木先生の記念館。ポップになる鬼太郎以前のハードコア時代の作品などを紹介していました。墓場鬼太郎はもちろんそれ以前の貸し漫画時代の貴重な作品など。
先生自身が戦時中ラバウルで、文字通り死と精霊がリアルに交わる世界で生きた経験がよりストレートに、痛烈に描かれた作品群。
戦争を知らない世代へ。改めてしっかり腰を据えて読みたいと思います。


先生とパプアの関係の展示が充実していて、とても興味深かったです。
セピック川の先にある精霊の家や仮面。
同時多発的に人は歴史のある一点においてから自然への畏怖や崇拝に形と物語を与え、またその力を身体に宿すことを夢見てきたことに興味があります。

敗戦濃厚、極限状態の中水木先生はジャングルの中で見えない壁にぶつかり一歩も進めなかったことがあったと語っていました。後のぬりかべの誕生です。
皆が少しづつ持っている不思議な経験や感じた気配は本当に気のせいだったのか。
目に見えないこと、あるいは存在していないことに何かを感じ取れる感性やセンスを失った我々。
理解できないこと、自分にとって不都合な存在は共存ではなく徹底的に支配し管理下に置くか、消し去ろうとする我々の驕りを暗い夜の向こうからじっと彼らは見ているのかもしれません。
願わくば手を取り合いたいぜ。

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