写真集、invisibleでご一緒させてもらった写真家さんの展示もついに3人目!
龍神さんからバトンを受け取る形で、5月2日より新畑克也さんの写真の展示を行います。

ミャンマーを撮り続ける旅の中で出会った民族、ロヒンギャ。
彼等が今置かれている状況は控えめに言って最悪。限りなく絶望に近いと聞きます。
同じ人間が、同じ国の人がなぜ憎み合い、奪い合い、そして殺しあうのか。
折しも先日スリランカで大きなテロがありました。
宗教、そして肌の色の違いが隣人とこれほどまでに大きな、埋められない溝を作るのなら、その存在自体が悪なのではないだろうか。それともこの試練の先には何か救いのような光が射しているのか。
加害者、被害者の構図を超えた業について、展示されるポートレートに映し込まれている瞳の奥の光を見つめながら、僕も色々なことを考えて見たいと思います。
新畑克也 写真展
「ROHINGYA PORTRAITS」

【本展示について】

「ロヒンギャ」。ミャンマー西部ラカイン州でかねてから深刻な差別や迫害を受けてきた彼らの存在を、日本国内はもとより世界的に殆ど知られていなかった。しかし2017年8月以降、ほんの数か月間で80万人を越える大量のロヒンギャが難民化し、一挙に隣国のバングラデシュに逃れたニュースは世界中に衝撃を与え、「世界で最も迫害されている少数民族」と国際的な人権団体から指摘されてきたロヒンギャの存在や彼らの置かれていた悲惨な状況、彼らを取り巻く問題の複雑さが広く知られることとなった。

私は2015年に初めてラカイン州の古都ミャウー郊外でロヒンギャが隔離された村を偶然に見つけて以降、集落で暮らす人々との交流を重ねてきた。同時に州都シットウェで2012年のラカイン族との衝突から約13万人のロヒンギャが隔離収容されている劣悪な国内避難民キャンプ、日本国内で約230人のロヒンギャが暮らす群馬県館林市、100万人規模のロヒンギャ難民が避難生活を送るバングラデシュ南東部の難民キャンプを訪れ、彼らの暮らしを見つめ、写真に収めてきた。

我々が当たり前のように享受できている、「人間が人間らしく生きる権利」を彼らは母国ミャンマー(ビルマ)で1982年に改正された差別的な国籍法により一方的に国籍を剥奪され、想像を絶する理不尽な環境下で過酷な日々を生き抜いている。彼らは母国で民族としても存在を認められず、「ロヒンギャ」というフレーズすらタブー視されている。

本展は、ミャンマーやバングラデシュで出逢ったロヒンギャの苦悩しながらも前向きに、「美しく」生きる彼らのポートレートを中心とした作品を展示します。彼らの瞳に宿る命を見つめ、より彼らの存在や、彼らを取り巻く問題について考えてもらえる機会になればと思います。

新畑克也
Katsuya Shimbata
【プロフィール】

新畑克也 Katsuya Shimbata

1979年広島県呉市生まれ。東京都在住。2010年に初めて訪れたミャンマーに魅了され、同国へ幾度も通い、旅先での人々との出逢いを写真に収め始める。2015年より西部ラカイン州で多くの困難を抱えながら生きるロヒンギャの集落や難民キャンプを訪れ、人々の暮らしを見つめ続ける。

website :http://www.katsuyashimbata.com
facebook :https://www.facebook.com/kman57move

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