近頃我らがホームタウン,港町横浜で気になるアートイベントが多数執り行われているのですが、意外と地元の方でも知らない方が多いのではないでしょうか。まだまだアンダーグラウンドな存在なのかもしれないアートなる怪しげな存在。
勝手知ったる街がだからこそ感じる、微妙で奇妙な歪みのような空間の魅力を少しでもご紹介できれば幸いです。
最初に訪れたのは長者町、CHAPさん。すなわち長者町アートプラネットでございます。
この重厚な圧のかかった階段。
横にはまた重厚な色紙が。
在りし日の喧騒の残像。
こちらで行われている長者町アートプラネタリウム、少し物騒なイメージのある界隈の印象を少しでも改善しようと、作品でもある花々を身に纏った女性が、界隈で働く女性にこの町での暮らしをインタビューするプロジェクトなのです。
自分も自営業なので他の方がいかにその仕事を生業として、そしてきりもりしていったのか、またその中で生まれたドラマやロマンス、すごく興味深い話でした。
人生とはすべからく、ドラマチックで時にほろ苦いものなのかもしれません。ましてやそれが港町の交差点、伊勢佐木町なら尚の事。
ちなみにプロジェクトのカメラマンの石下さん、たまにふらっとお店に寄って下さるのですがものすごい視点で世界をみつめていて。いつも刺激を頂いています。
長者町からふらっと黄金町方面へ。こちらでは高架下系アートイベント、その名も黄金町バザールが開催中。
起点となる日ノ出スタジオさん。
中のライブラリーはかなり攻めのキュビズム。
屋上と高架の僅かな狭間にまさかの枯山水!cool!
以前にお客さんから大プッシュしてもらった事が印象的だったフクモ陶器とこんな所で出会うなんて。。肌身離さず、いつも心にB.O.N。そんな盆栽ウォッチ。
スタイリッシュな横浜のイメージを発信し続けているみなとみらいとは違い、伊勢佐木町界隈はどこかアジアの雑踏を思い出す無秩序な愛らしさが残っている町だと思います。
こちら多分ひっかかってしまったトラック。
今回で三回目のバザール訪問なのですが、他のいわゆる芸術祭に比べてなんといっても粗い。いい意味でも、少し残念な意味でも。
土地柄もあるのかいわゆる癒し系とは一線を画すパンキッシュな作品が目につきます。初期衝動の温もりがまた愛おしい。
特徴としてアジア各地からの招待作家さんが多いのも特徴です。
こちらは機械音と奇妙な映像を流しながら徘徊するチャリンコ。
こちらはタイの作家さんアンーノント・ノンヤオさん。それぞれの作家さんが醸し出すお国柄の空気を作品で感じるのもまた面白いです。
以前に黄金町で展示を終えた台湾の作家さん、蔡さんと瀬戸内芸術祭で知り合って意気投合したこともあったりしました。
とかく物騒な話が多いアジア情勢、国なんて小さなこと関係なしに、もっと大きな感性やセンスで色々な交流を深めてけたらいいのになと思うのです。
こんなチャリ。変態ですね。
異彩を放っていたメリノさんの作品。
中世イタリアルネッサンス期の技法、卵黄テンペラ、で絵画を制作とのこと。
高架下の薄暗い小さなビルの中に現れたカテドラルのような雰囲気とギャップ。
召されました。。
ただ美しイコンではなく、木の実など小さな自然の造形物が建築だったらと言う妄想を膨らませて架空の町を設計していたり、本当に素晴らしい世界観と作品ばかり。
戴冠式。しばし時間を忘れて僕も妄想に浸ります。
その同じ建物の二階ではラジオ体操の映像作品!
このギャップに戸惑いましたが、クセになるリズム。
キム・ウジンさんのインスタレーション。
横浜メリーさんのドキュメンタリーも興味深かったです。
横浜に住んでいる方なら名前は聞いたこともあるという方多いのではないでしょうか。バットマンのジョーカーを彷彿とさせる白いメークで港町に佇み続けた都市伝説の様な女性。
子供の頃はひたすらおっかない、人外の者という強烈なイメージでしたが、一人の人間として、表現者として、今、改めてメリーさんの存在とは何だったのかを知りたい自分にとって興味深い作品でした。
グエン・ホン・ゴックさんの光るポートレート。隣では盆踊りの映像がテクノ仕様の映像になって踊り続けていて。大好きです。
最後に訪れたのはROOM BATHTUB。入口はスナック。中は風呂を模したスタジオ。完全防水。バスタブをイメージさせるシンクやタオルかけも。
これは面白い!一人シャバダバシャバダバと踊ってはみましたが。
それにしても圧倒的な会場の雰囲気。路地と言うか隙間、ここを通っていけと。
スチームパンクすら感じる吸引力。
正直、何度か訪れていますが微妙ではなかろうか。。と思う事の多かった地元のアートフェス。今年は個人的に大豊作。
高層ビルの立ち並ぶきらびやかで、どこか空虚なみなとみらいと色々な意味で対照的なもう一つの横浜。
少し曇り空の日、あるいは夕暮れ時などに散歩してみると心に寂しさとも違う不思議な気持ちが宿る、のかもしれません。
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