最果てと花の夢に酔いしれた礼文ともお別れの時がやってきました。
早朝埠頭で遭遇した、桃岩ユースホステルのお別れの儀。
生半可な覚悟とテンションでは到底追いつくことができぬと今回は宿泊を辞退した有名ユースの桃岩さん。
古き良き時代のミーティングなどここでしか体験できないユースカルチャー遺産、体験しておくべきだったかなと今になって少々悶々。  
最北の町稚内からさらに北へ。
北緯45度31分22秒。
感無量。願わくば果ての、さらにその先まで。
 
そもそも、数日前までは波照間島の日本最南端を目指していた今回の旅。
鬼のような台風が無ければまた大きく違った旅になっていた事でしょう。
人生は不思議なものです。

世界の終わりは堪能した。南に帰ろうじゃないか。あの温かい大地へ。。
なんて牧歌的な気持ち、優しい気持ち。憂い無き地平線と僕。
 
そうなんです。そんな平和ぼけした獲物を死神は狙っているのです。
牧草の影に隠れ、あるいは羊の群れに混じってほくそえんで手招きをしているのです。
 
まぁ、早い話が事故りました。
かなり派手に。新車なのに。
本当に申し訳ないです。
 

事故処理の諸々を終えて、旅もここで終わるのかとしょんぼり肩を落とす名も知らぬ北の町。
いや、しかし、このミーのカー見た目は120%death。
凹んではがれて、つぶれて、はみ出て。ではありますが動くんですよね。曲がるし止まる。
通りすがりのエンジニアっぽいおじさんに話を聞くとラジエーターが動いている奇跡に感謝しなさいとのこと。
OKOK。レンタカー会社には後日しっかり謝ろう。
今は旅を続けようじゃないか。

 

カーナビが甲高い声で到着を知らせる。
動くスクラップと化した満身創痍の車を褒めてあげたい。
幌延トナカイ観光牧場。大事故の後のトナカイ。ヘラジカセラピー。

山羊もいますね。
気の向くままに草を食す。
眼下に広がるこの牧場で、山羊と共に暮らしたい。
しかし本日の目標は富良野。どうしても泊まりたいゲストハウスがそこにはあるのです。
牧草食って昼寝している時間は今日の僕にはありませんでした。

南へ、南へ。
北上に使った海沿いの道、オロロンラインとはまた違う内陸部の道をひたすら進みます。
山を越え、森を越え、菜の花畑を越えて。

しかし旭川に着くころだったでしょうか、予期せぬハプニングが。
夕立と呼びにはあまりに激しすぎる豪雨により、防御壁を失ったヘッドランプが故障。
ライトがつかなくなるアクシデントが発生してしまいました。
これはどうにもならんのです。美瑛に向かう途中の道からUターン。
街灯とハザードの淡い光を頼りに旭川までなんとか戻り、ゲストハウスで就寝。

予期せぬハプニングで流れ着いた旭川ゲストハウスさん。
フロントに鎮座する甲冑が印象深かったです。
boy meets 日本刀。疲れた身体に血がたぎるわ。

 

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