エアアジアをご存知でしょうか。
マレーシア発のいわゆるLCCの先駆け、格安航空券界の風雲児なのです。
噂はかねがねでしたが利用するのは今回のインドが初めてです。
エアアジアに限った事ではありませんがコストを抑えるため余分なサービスはカット。ということでがっつりおにぎりこしらえていざ羽田。
お弁当箱から漂う香ばしい鮭の匂い。空港の中でピクニック・アローン。

しかしそんな牧歌的なおにぎり時間はあっという間に修羅場へ。
カウンターでいきなり大問題発生です。facebookの方ではリアルに相談もさせてもらいましたが片道ではインド入国不可、帰りのチケット買ってもらわないと飛行機乗れませんとの衝撃のお言葉。
早く言ってよとかビザあるのに??とか色々思いましたがマレーシアまではとりあえず行けるという事なので現地での対応に身を委ねることにして見切り発射。
場合によっては急遽マレー料理勉強旅も視野に入れたりと、先の全く見えない不安にガクガク震えながら南西へ。mal04そしてクアラルンプール。
結果から言うと全く問題なし。一切の隙を見せずにオオカミの様な表情で挑んだカウンターでの勝負は10秒たったかどうかであっさり終了。マレー姉さんが敏腕なのかあるいは‥。
とにかく旅は続けられることになりました。ただ預け荷物は時間の関係で後程ということになりました。

さてこのトランジット。通常は忌み嫌われる無駄時間なのですが経由フェチというか、この至高のボーナスタイムを無駄にしてはならぬと列車に乗り込み向かう先はバトゥケイブ。
大学3,4年生の時に訪れ衝撃を受けたマレー半島にあってヒンドゥーの聖地なのです。mal01乗り換えを挟んで一時間ほどでようやく到着。改札降りるとハヌマーン笑。mal02トリプルLサイズの猿神様。あの孫悟空のルーツとの噂も。
山に生えてる薬草がわからずに山ごと持ってきたという豪快なエピソードも、なるほど納得の貫録です。
mal03道端にはおもむろに象顔やタミル語(?)の看板もあったりして東南アジアの中でもひときわ清潔感のあるKLの中にあって怪しげな一画。
mal06そして、、出ましたー!まさかのゴールデンシヴァ降臨。これはテンション上がります!mal05淡い、本当に淡い記憶ですが前回訪れた時にはいらっしゃらなかった気が‥。まさに神出鬼没。
色もさることながら先ほどのハヌマーンが小さく見える圧倒的な存在感。たまりません。

さてその神像の脇の階段を上って洞窟へと入っていくわけなのでありますがこの階段がエグい。なによりバックパック、サブバッグ、カメラバッグとスリーバッグ三位一体のフル装備、そして二月の日本から激夏のマレーシア。長袖なんか着てたりして発汗すること瀑布の如し。
mal09汗を絞っては登ってまた絞り。
リットル単位の汗を流しバブルスライムのような状態でようやく階上の洞窟へ。
あぶる様な日差しから一転、鬱蒼とした闇としたたる鍾乳石、そして壁面に鎮座するヒンドゥーの神々。
mal08艶やかでねっとりとした妖気に包まれた神棚に心奪われます。
mal10供物にむらがる猿、そして見上げると蝙蝠の群れ。
mal11ナタラージャ。破壊神が一番人気のヒンドゥーという世界。お手柔らかにと旅の成功を祈願。
mal12淡い記憶が少しづつ蘇ってきます。シンガポールからバンコクまでのマレー半島の列車旅。
列車にドアが無かった事、購入した果実にスパイスかけられて困惑したこと、流暢な日本語話す青年に儲け話を持ち掛けられドキドキしたこと。そして自分の足で国境を超えるという事。
体験する全てが鮮烈で体細胞すべてがはじけていた気がします。
mal16本当に一人で旅した最初の旅だったのではないでしょうか。そして今回が一人で旅する最後の旅になるのかもしれません。
なにやら因縁めいたカルマの様なものを感じつつ闇の奥に進みます。
mal14なぜだかニワトリの姿も多数。なんでもありか笑。
mal13毎日のようにこの神性でグロテスクな洞窟に訪れ神々に祈りを捧げる人生もあるんだなーと、ふと思い立ち尽くします。
僕が仕込みでタマネギを刻んでいる時、僕の友達が営業先に電話している時、彼等はココナッツの汁を聖像に注ぎ香を焚き花を捧げる。タイプーサムと呼ばれる日には自らの体に針をぶっ刺して練り歩く。
そんな日常やお祭り、生活がここには確かにあるのです。

旅の中、逐一身の回りに起きること全てに驚く事はなくなってしまいましたが、僕らの日常と並行して息づく無限のもう一つの日常。できることならその全てを見たい、知りたい、訪れたいという好奇心はしっかりうずきます。10数年枯れることなかったこの気持ちだけが僕の全てなのかもしれません。
mal15汗に濡れた衣服を冷凍させる試みかと訝しむような冷房の列車に耐えて再び空港へ。
いよいよ南インド、ティルチラパッリへ。

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