バンガロールから始まった2月のインド旅。
空港から街に向かう途中で早速立ち寄ったのがブロックプリントの工房、Tharangini Studioさん。
なんとなく北部のラジャスタンやムガル帝国時代の雰囲気が残る地域で盛んな工芸かと思っていたので、まさかこの旅で見学できるとは!嬉しさもひとしおです。

インドのITを牽引すると言われるバンガロールにあって、先代から伝わる手仕事を、それこそ一つ一つ版を押すように丁寧に受け継いできたこの工房。喧騒から一本通りを入った閑静な地域に現れる白い館とデザインを学んでいる様な若い学生、寡黙な職人、そしてオーナーでもあるエレガントな女性、そして今まで僕が旅してきたインドにはなかった静寂。
本当にインドという国は多彩な表情を見せてくれます。

突然の訪問で怒られないかしら、、とドキドキしながらお邪魔したのですが超ウェルカムな感じで接してくださって嬉しい!日本にも顧客がいるのよと語ってくれるオーナーさん。工房での作業工程、版やデザインの解説などしてくださいました。
インドでもこういった伝統的な技法はやはり徐々に行うところは少なくなってきているそうです。機械を使って大量に効率よく服を作って消費していく。だからこそ私たちが続ける意味と意義があると語ってくれました。

好きなこと、大切なことが時代の流れと逆行していると感じた時。そこに信念があればそれはきっと共感を呼びチャンスに代わっていく。それはインドでも日本でも変わらない大切なことなのかもしれません。

屋外にも大きな天幕のような作業場がありました。その中心には大きな樹が。
神様や精霊の様なものが本当に存在するのかと言われるとうーん、わからないですが、その場ならではの気配や安らぎ、僅かなゆらぎ。物作りにつながるインスピレーションを与えてくれる森羅万象の恵みの様なものは確かに存在すると思うのです。
そういったギフトの様なものを大切にした結果、芸術、文化、信仰といった目に見えないものが生まれ、共存していくようになったのかもしれません。きっとこういった文化は本来混じり溶け合い、今のような区分けされ正しいか正しくないかと分別される様なものではなかったのだと思いました。

一つ一つの模様に意味があり、物語があり、情熱がある。
これからも布は旅の中の大きなテーマになっていくと思いました。

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