先週の営業終了後、夜行バスで京都に。毎年楽しみにしているkyotographieへ行ってきました。
ルーチン化しつつある近所の銭湯、富士の湯さんにつかってからの横浜東口。最近のお気に入りはオリオンツアーさん。案内が始まる前のメロディーにいつも心打たれています。
そして京都。つい先月にも福井県の若狭への旅の起点に訪問したばかりなのでなんだか不思議な感じです。

今回の訪問で一番楽しみにしていて、そしてその期待を遥かに凌ぐ展示を見せてくださったのは二条城で行われる高木由利子さんのPARALLEL WORLD。
いわゆるハイブランドの普段使いを逸脱した攻めのファッションの美と、古から風土の中に根付き母から子に伝えられてきた衣の美が同じ目線で撮られていた事が印象的でした。

始まりである民族衣装と前衛である実験的なファッションがつながり円になる。

二条城という作品を展示するにはいささか大掛かりすぎる場と完全にコラボレーションし、差し込む光、柱の傷、漂う気配が全てポジティブに作用していたように思えました。

社会というものが生まれ産業革命に至るまでの間、世界中には民族の数だけ衣服があったのでしょう。
それは防寒から始まりいつしか誇りや美、最も身近な自己表現の場となっていったのだと思います。
いつしか抗い難い便利なファストファッションの流れは世界を覆い、極々僅かな風習だけが残っている現在。
やがて消えゆく存在であるからではなく、長い旅をしていた頃から僕は本当にそのビジュアルが大好きでそういった衣服が残る村々を巡る旅をしていました。

カフェbononに在廊されていた作家の岡崎真奈美さんのティモールの写真、そして旅の話を聞きながら僕も昔の旅のこと、そもそも美しいとは何なのか。そんなことを考えました。
最新が一番いいとされている現在。携帯、カメラ、ファッションなどなど。
しかし岡崎さんが古布を買い付けに訪れるインドネシアの果てティモール島では、長く使えるものが素晴らしいものという価値観があります。
使い込むと味が出てくる天然の藍染や織。
時間の経過と共に美しくなっていく衣。
願わくば自分自身もそのように人として成長していきたいなと思うのでした。

 

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