続、山口の旅。
秋吉台から向かったのは日本海に面した古都、萩。
そのエレガントな名前に惹かれて以来、かねがね訪問してみたいと思っていた街でありました。
宿は、昔友人がオープンに携わったというというrucoさん。噂通りの小洒落た内装。しかしボヘミアンなスパイス使いの建築よりもじんわり心に染みたのは、受付の気のいいお兄さんのホスピタリティと程よい距離感。
オーナーさんは不在だったものの、スタッフのお兄さんもまた旅の途中。気持ちのいい街だったからという理由でしばらく滞在するライフスタイル、いいですねぇ。
その後しばらく夜の街、そして夜の海を探索。

夜が明けると凛とした印象から一転、初めて来た街なのに、もう懐かしい。
好きな街と確信。

浜辺ではシラスの釜茹で。まだ少し冷たい秋の朝に煙る蒸気がすごい。
畑で取れたのよーってコスモスや秋の花を見せてくれるおばちゃんも合流。
当たり前のように人が集まり話が弾むのです。

モーニングを食べに萩の中でも渋い浜崎地域に。こちらにある古くから船乗りのための道具を販売していたお店が始めたカフェにてモーニング。
ふいこで鳴る汽笛や渋さ極まったランプなどなどを見せていただきました。
コーヒーを淹れてもらうまでの時間、しばらくの間、ぼんやり古道具を眺める。海に出た人、出なかった人、海から戻らなかった人、様々な記憶の中を漂うような時間。

この地域、細い路地を歩いているとすれ違うおばさんやご老人がおはようございますって挨拶してくれました。
本来なら挨拶なんて僕の方からするべきなのに。
世界遺産が何個あるとか、メディアに取り上げられたとかそういった事でその土地を自慢するのではなく、外から来た人をふわっと包み込むように受け入れてくれる、そんな挨拶が一番かっこいい。自分も見知らぬ人にこそ挨拶していけるようにな男になろうと思います。

さて、歴史は好きですが幕末のマニアではございません。南方熊楠や水木しげるがそうだったように、坂本龍馬、西郷隆盛の記念館にわざわざ足を運ぶかというと、そうでもなく。そんな自分でも吉田松陰はやはりヤバい存在。
黒船に無断で乗り込んだり、教育や啓蒙の大切さに誰よりも早く気づき後進を育て、そして最後は安政の大獄で29歳で処刑。
神社に祀られるほどの偉業と激動。
加速して燃え尽きる時代だったのか。本当は平凡でも長生きしたかったのか。

もっとゆっくりしていたかったのですが本日中に萩から長門、角島、そして福岡にまで戻り横浜に帰らなくてはいけない我ら。最後に藍場川へ。
池ではなく、川から流れ込む水路を悠々と泳ぐ鯉。本当に綺麗な水が流れていないとこうはいかないのではないでしょうか。元萩釜さんで湯呑みをひとつ買い西へ。
この後とんでもない窯元に立ち寄ることになるのですが、それはまた別の機会に。

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