少し前の話になりますが、北海道、富良野で絵を書き続けている奥田修一さんの個人美術館に行ってきました。富良野というと観光地のような印象がありましたが、いわゆる風光明媚な観光地からはだいぶ離れた静かな丘の中、古い小さな学校をそのまま美術館にされています。

数年前、私はしばらく入院生活をしていたことがあるのですが、衛生的ではありますが色彩に欠けた院内、その中で読んだ雑誌で美術館のことを私は知り衝撃を受けました。
美しくも厳しいしい自然と対峙する、というよりはむしろ溶け合うように風景画を描く奥田さん。訪問したとき、たまたま奥田さんが受付をされており話を聞くことが出来ました。

その昔、奥田さんはゴッホやセザンヌに憧れ、勢いのある、いわゆる厚塗りの絵画を
描いていたそうです・その手法は北海道富良野に移り住み絵が変わったといいます。

絵は薄塗りの油絵に変わっていき、ギャラリーには自然の空気たっぷり吸い込んだのびのびとした絵が美しい絵が飾られていました。

野外で絵を書くときは、厳しい環境であっても長時間絵に向き合って描くといいます。
今どき風景画家は外では描かないのかもしれないな。そんな事を話してくださいましたが、その表情は確信に満ち溢れているように私は感じました。

その場に留まり視覚以外の全ての感覚も研ぎ澄まし、描いた作品は時間の流れが描かれており、大地の匂いや鼻を冷たくする空気感も内包しているように感じました。
美しい時間は静かな光とともに折り重なり美しいメロディを奏でているよう。
屋外には作家さんが祈りを込めて作られた小さく静かなチャペルもあり、たっぷりの愛情を感じられるお庭とともに見学することが出来ます。なんとも可愛らしい猫ちゃん家族の姿も!

本当に素敵な絵とそして空間でした。
ぜひ富良野に行く際は訪れて見てくださいね。
写真は寺本さんが撮ったものになります。





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