最近増えた本をいくつかご紹介させてもらいます!
先日久しぶりに本棚を整理していて、写真集と人類学、民俗学に興味を持つきっかけになるような本が多くなってきたと改めて思うのでした。
自分自身が今何に興味を持って、そこから何を感じて、何処に向かうのか。本は寡黙でいて雄弁であると改めて思うのでした。

さて。
夢のクチュリエ。現代美術館で行われていた素晴らしい展示の図録ですね。
高木由利子さんがクリスチャンディオールの洋服やアクセサリーを撮り下ろした写真集なのですが、美が内包する永遠や刹那について考えさせられるような作品集としても読み応えのある一冊。
高木さんといえば最近ではbunkamuraでの展示も記憶に新しいですね。すごかった。

こちらも写真集。心の師匠石川武志さんにおすすめしてもらったmichael ackermanのend time city。
今はもうだいぶさっぱりしてしまったと聞くベナレスの路地裏とガート。
文字通り彼岸があの世だった頃の空気感が漂う写真集です。エグい描写も多いですが死生の境界が交差する空間は神聖でもある。
自由に生き、そして自由に死んでいく姿は誇らしげでもあります。

雰囲気一転。植本一子さんの写真集、うれしい生活。夫であるラッパーのECDさんと共に駆け抜けた、淡い光とかけがえのない時間。
人生には限りがあるから、美しく幸せなのか。それでも永遠を求めてしまうことは驕りであり、過ぎたることなのか。
子供の頃から心の底でいつも考えていることを改めてページを捲りながら考えさせられました。

いきなり絵本です。クジラがしんだら。
鯨一頭の命が幾千万の命を育み養う生命の循環が、今も光の届かない深い海の底で行われていると知る。いろいろな意味で深い深い話。
恐竜図鑑の影響で、最近は今まで正直興味の薄かった自然科学の本を読むことが増えた気がします。そこで知ったのですが、地球誕生以来シロナガスクジラは一番大きな生き物らしいです。
どんな恐竜よりも、マンモスよりも、ドラゴンのような化け物よりも。一回の食事でとんでもない量のオキアミを食べ、そしてとんでもない量の深海の生き物に食べられる。
これまでも捕鯨打ち上げられた鯨の亡骸を見て、色々思うことがありましたが、自分の中で一番信仰に近い気持ちを持ち得る存在が鯨なのかも。

我々はいつしかこの豊かで大きな循環からあまりにも遠いところにいて、地球を俯瞰しているような存在になってしまっているのかも。鯨について考えるといつも逆説的にそんな気持ちになるのでした。

いつか海の中で邂逅する。夢であり、旅の一つの到達であると思っています。

同じく深海の神秘を漫画という表現で描いた海獣の子供。江ノ水から始まり宇宙まで到達する物語は圧巻の一言。自分は章と章の間に入る海にまつわる不思議な民話や神話がとても好きでした。

最後に世界の呪術と民間信仰。
聖地である国立民族学博物館、通称民博の慣習だけあってオカルトに寄る訳でなく、それでいて漂う妖気も一級品。

人間の想像力には限りがない。それが我々の強さでもあり、同時に弱いからこそ満たされることのない、底に穴の空いた欲求の根源でもあるのでしょうか。
世界は多様であり、環境や風土、あるいは時代の個性によって生み出された信仰や呪いはとっても鮮やかではありますが、何を望んで、何を恐れるのか、本質は本当に同じだと思うのでした。

 

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