バイクでチェンライを巡る旅をもう少し続けさせてください。
日差しは確かにギンギン。しかしそよぐ風はどこか優しい。日本の夏が暴力的なものになりつつある今、インドシナ半島でも山岳部の空気はここでの生活を視野に入れたくなるほどに過ごしやすい。
またバイクの運転中に限ったことではないのですが、個人的にこれだけはやめられないと感じるのが路上で商う数多の果実販売屋さん。お菓子はあまり食べないタイプですが前世はゴリラかフルーツばかり食べるコウモリの類だったのではないかと思うほどに果実大好き。息を吸うように南国果実をほうばりアクセル全開です。
ここはパイナップル専門店。アホほど美味い。
さて。だいぶ北部までバイクを走らせやってきました。黒い寺、バーンダム。
ここは明らかに今までのカラードのお寺と異なる雰囲気。そもそも寺ですらない雰囲気。
じゃ、何なのさと言うとなんとも言葉にしにくい。ただ不自然なほどの数がある水牛の角や動物の剥製とオブジェ、そしてこれだけの規模の空間を維持する資金はどこから出てきているのか。ひたすら不穏。
割と有名な観光地として紹介されていますが、よくみなさん健やかな気持ちを保てますなと思うほど。
最初のどでかい建築を抜け、裏庭のような敷地を見学。全貌を把握しないで歩き回るとここからがとんでもない広さの敷地であると、迷子になってから気がつきました。
村レベルのどでかい美術館、敷地全てインスタレーション、そしてもしかすると結構ガチにカルト集いし呪われた集落だったりするのではないかとの懸念も浮かぶほどにどんよりした雰囲気。
何一つわからないまま、このミッドサマーの舞台のような空間を我々は後にしました。
バーンダムを出た頃には、日もだいぶ傾いてきました。
少しバイクを加速させ旅を続けます。南の空には激しくも美しい雲。
ワットロンスアテン。その名の通り青い寺。白い寺、ワットロンクンを建立したチャルーンチャイ氏の弟子スラーノック氏が建てたとのこと。
どこの神話でも聞いたことのないような羽の生えた象やヒレのついた象のような珍獣。そしてどこかギリシアあたりの彫像と言われても納得しそうなヘレニズム味を感じさせる仏像?の数々。
奇抜ではあるけれど、どことなくエレガント。品があります。
そう感じるのは情緒と感覚が麻痺してきているからだと、思うところもありますが。。
いずれにせよ、どんな形であっても仏教が今を生きる人の心の拠り所になれるように姿を変える姿は素晴らしいと思うのでした。伝統や格式を重んじることも大切ですが流れていく時代の中で本質が問われるとしたら、それは文化としてではなく慈悲や愛として寄り添うことのできる在り方。
映えることや面白いと思えることで仏教の間口を広げる手腕は流石タイランドと素直に感心するのでした。
蛇足ですがチェンライで柚希さんと春翠さんは初めてのタイ古式マッサージデビュー。ナイトマーケットでしっぽりとバンドの演奏を聴き、マンゴーともち米のデザートを食べる至福よ。
時代は変わる。しかしチェンライの夜はぶっとい根を張った大樹のようにブレることなく我々を魅了し続けてくれるのでした。


































