即神仏をご存じでしょうか。苦行を経て生きながら仏になる。 五穀を断ち死を超えた永遠の瞑想を経て、弥勒菩薩が世界を救う56億7千万年後に備える発想は僕の想像力をはるかに超えた世界です。 奇しくも日本海沿岸を中心に広がった即…
蓬莱の欠片04 夢幻能、花見潟墓地、廃墟の曼荼羅、比丘尼の実家
今回の展示では佐渡の能の写真をいくつか使わせてもらっています。 初めての屋外薪能。夢幻能と呼ばれる旅の僧が体験した不思議な物語を鑑賞しました。 この世のものではない存在が語る一夜の物語に現実と夢が溶け合い、やがて夜明けと…
蓬莱の欠片03 旅人は能登を目指す、白い蛇、人魚のミイラ、鶴の岩屋
我々が見慣れた日本地図をぐるっと逆さにしてみると不思議な弧を描く島であると改めて気付かされます。大陸から見ると僕が住む関東は奥のまた奥。辺境の地です。 逆に佐渡や対馬、隠岐といった離島、そして能登半島は大陸からやってくる…
蓬莱の欠片02 隣国のペットボトル、庚申の夜、浦島太郎の旅
海岸線の無限とも思えるゴミを、それでも注意深く見つめながら歩いていると、落ちているゴミの中に不思議な存在感を放つものがあることに気がつく時があります。 ロシアの乳製品、北朝鮮のパイナップルジュース。 どういう経緯で海に流…
長崎の精霊流しへ
いよいよお盆が始まりますね。夏休み、みなさんいかがお過ごしでしょうか。 自分の夏はいつもと違い、展示の準備で部屋で汗かきながらパネルなどを作っており、それはそれで充実しているのですが、窓の外では夏がサラサラと音をたてあっ…
訪れた展示をいくつか思い出してみて02。BIWAKOビエンナーレ
あまり知られていない芸術祭なのかなと思っていましたが、その規模はもしかすると他に類を見ないかもしれない琵琶湖ビエンナーレ。今回でもう10回目の開催だそうです。 滋賀県、琵琶湖南部広域に広がるアートの祭典は一…
不老長寿をホーチミンで学ぶ
ベトナム、ホーチミンシティで、正直全く期待していなかったのにガツンと揺さぶられた裏観光の要、それはFITO MUSEUM。ベトナム伝統薬博物館ではないでしょうか。 だいぶ昔にはなりますが一通り観光地は巡ったことがあり、か…
プクタルへの道3。やがてまたこの道を通って
文字通り息も絶え絶え到着したプクタル。 チベットでお寺を詣でる度につくづく思う、なぜここに建立されたのですかという問い。その思いも極まる不毛の渓谷の奥の奥。肩を寄せ合い息を潜めるように、それでいて力強く岸壁と調和する白亜…
プクタルへの道2。永遠に近い石の時間と僕の旅の時間
ザンスカールのプクタルゴンパまでの歩き旅。起点となる集落?のプルネ。 パドゥムでヤクを飼っている人がプルネにいると聞き、どうやったら会えますかねと聞いた時、いやいや二家族しかおらんからどうやったらもないっしょと言われまし…
プクタルへの道。バルダンゴンパ、そしてヌーとダイナマイト
先日訪れたラダック、ザンスカールの旅を少しづつ振り返ってみようと思います。 少し長めの旅の中でも割と難所かなと考えていたのがザンスカールの奥の院、プクタルゴンパ。友人の番匠くんと前日に合流し、とんでもない悪路を運転手入れ…