昨年訪れた四川チベットの旅。気が付けばあれから丸一年、ほったらかしにしてしまった旅の記憶を記録にせねばと思いラルンガルから下りてきた後のアフターチベット、四川省の都、成都での写真をつらづらと並べさせてもらいます。
ちなみにラルンガルでの写真はこちらとこちら。鳥の葬。
1999年以来。15年ぶりの成都は、以前は少しだけ感じられた、いわゆる三国志、蜀の都、成都としての面影は当然ですが皆無で、空を貫く超高層ビルと果ての見えない大河のような道路。そのスケールはあまりに巨大で地図見て歩くとかそういう次元の規模ではまるでないのです。
道行くおばちゃんに古き良きチャイナの残り香。大きく深呼吸。
おら都会はニガテだ。というわけでさくっとバスに乗りまして、短い滞在時間でどうしても再訪しておきたかった楽山という地方都市に向かいます。
どでかい大仏で有名な川沿いの山寺のような一帯。少しエキゾチックな仏様を詣でながら奥に奥に進みます。
火の揺らぎの向こう側に彼岸に似た何かを見ることができたら。
大陸のはぶっとい。
中国はやはり赤、紅、朱。そして日本は白なんだなと色々な所で思う事が多いです。ちなみに自分は青が好きです。
おそらくは四天王、持国天。
日本では見かけない弾き語りスタイルですね。
一刀両断待った無し。シルクロードの奥、西域の面影。
ぬーーーん
ついに、ついにビッグブッダへ。おひさしゅうございます。
ブッダハンド
ブッダレッグ
全てが規格外。71mのトリプルL。石と言う天然素材を使った大仏としてはこの楽山大仏が世界一の大きさだそうです。うっとり。。
三大石窟、あるいは大足など、本当に素晴らしい仏カルチャーに溢れる中国。繊細な美を研ぎ澄ます日本の仏様とはまた違った規格外のスケールとしてのブッダ。タイではエメラルドで作られていたり、インドではシヴァ神の化身として描かれていたり。ミャンマーではメガネかけていらっしゃるらしいです。
人の数だけ仏様がいらっしゃるということです。ありがたや。
もう少しだけ続きます。
成都でもう一つ体験してみたかった事に、川劇というものがあります。いわゆる京劇の四川版。
しかし楽山大仏で思いの外時間を取ってしまったため開始時間までに間に合うのか微妙なところ。タクシーなんてめったに使わないのですが、バス下りた場所と劇場がどれだけ離れいるのかさっぱりわからないにもかかわらず川劇会場まで飛ばしておくんなまし!と。はじめての経験。
ま、慣れないことすると案の定アホほど渋滞。ていうか何車線あるのさこれ。
ブレーキランプの赤い洪水を泳ぎ切りなんとか劇場イン。ていうかスーパーの奥の方に設置されてるレストランシアターみたな場所で、大丈夫かコレ?と訝しみながらも鑑賞開始。
案の定と言うか、ステージでは謎のお茶入れパフォーマンスが繰り広げられていて。
なにこれ??と思っていたのですが意外とシュールで面白い。湯のみを持つ娘さんも怪訝な表情だったり、張り詰めた空気が辺りを包み込みます。
さらにステージでは謎が進行、そして色濃くなっていきます。雑技団コメディーのようなパフォーマンス。ていうか自分はタクシー飛ばしてどこに向かっていたのだろうか。一杯喰わされたのではないだろうか。そんな焦燥感がムラムラしてきます。
半ばあきらめかけた頃、飛び上がる様なドラの連打!そして奴らが火を吐きながら進撃!
怒涛です。暗闇の中ものすごいテンションで踊り狂う。思わず乱入しそうになるほどに自分のテンションもクライMAX!
写真ではお伝えできないのですが数十秒間隔で、本当に一瞬で演者の面が変化していくのです。全くどうなってるのか認識できない。これは人ならざる者の技。面神様じゃ!面神様の降臨じゃ!!
数えきれないほどの変化の最中にスパイダーマンとかそういうお茶目を入れるのは、個人的にはどうかとも思いましたが、いやはや、本当に素晴らしかった。周囲のお客様がいたって冷静でしたが弟子入り志願を考えるほどの衝撃でした。
以前は良くも悪くもふれあいや衝突を繰り返してきた僕の中国旅でしたが、今回はもう日本のそれに近いというか、街中では皆スマホ。それが邪な理由であれなんであれ、あまり街中で声をかけられことはなく、少し物足りない、寂しさのような物を感じていました。
けど一本裏通りを歩けばまだそこには僕の好きな無愛想でやたら大盛りのご飯を出してくれる食堂があって。なんやかんや言いつつも、きっと根っこのところは変わらないのだろうなと思うのです。
空港に向かう前に少し時間があったので三国志マニアの聖地、武侯祠へ。
歴史オタクにはたまらん、土っぽさの残る古い廟だったこの場所もなんだかテーマパークの様になってしまっていて少し残念。ぶらぶらと重い荷物抱えながら彷徨います。
ちなみに自分は魏派。関羽より張遼。孔明より荀彧。なのであまり盛り上がりもなく淡々と。お土産に張飛柄のお菓子買ったりそんな感じで。
次は中国東北地方、あるいは貴州省辺りを訪れることができたらとぼんやりそんな事を考えながら帰路につくのでありました。
- 求人のお知らせです。
- 横浜パラレル01 黄金町バザール