4分の3年ほど前に京浜工業地帯へぶらり、妖しいもの好きの友達と出かけたことをふと思い出しました。
綱島から車で3,40分にも関わらず、空に向かって火を吹く鉄塔に会える喜び。
少し日常の理から外れた奇景がなんとも言えず高揚するのです。
この日も黒い空を焼く塔。
力強く、不健康そうなシンボリックなこの塔を一同無言で見上げるのです。
写真ではリズムを守って鳴り続ける轟音と、鼻の粘膜をつらぬく刺激臭。
これらをお届けできないのがいささか残念ではあります。
プラントと言う名の神殿。
千年後には世界遺産とかに登録されて欲しい。
というよりは千年待たずに熱を放つ今、世界財産として登録する価値のある意義、
それにこの決定的な迫力をユネスコに見てもらいたい!
そんな盛り上がる妄想を断ち前を見ると、猫一匹通らない夜の町、鉄の町。
このプラントが放つ冷たい熱と音、これと対になる夜の静けさが両立するから
ついつい足を運んでしまうのかもと思うのです。