先日夜行バスで京都を訪れました。お目当てはkyotographie。展示はどれも見応えのあるものばかりの大満足でした。そちらの報告はまたいずれ。
夕方まで一気に展示会場を駆け抜けた後、JRを使い京都市内から少し離れた伏見稲荷へ。もはや日本を代表する観光地でもあるこの神社、自分も含めて訪れた方は多いと思いますがその社殿の背後にそびえる稲荷山に登られた方は意外と少ないのではないでしょうか。あの千本鳥居の向こう側。

時刻はすでに夕方。登り始めた瞬間に小雨降り出し、鳥居の回廊も驚くことにほぼ無人です。
以前に二度ほど来た時には感じなかった、なんといいますか神聖の中に滲み出すなまめかしさのような感覚。何か龍や大蛇に飲み込まれていくような不穏。
そしてどれだけ歩いても景色が変わらない、それでも徐々に深みにはまっている確信だけを胸に歩みを進めていきます。

たまに出会う人も皆ゴースト的なものではないかと訝しんでしまいます笑。おそらく自分もヒゲメガネの霊として認識されていたのではないでしょうか。

しばらく登ると小さな神社、霊場のような場所が階段の脇に現れたりします。

何かの気配を感じ、はっと振り向けばそこに猫。
眼光に怪しい光。

と思えば今度は馬。
聞こえない嗎、鳴らない蹄が響いたような。

宇迦之御魂神、ウカノミタマの眷属という狐。
農耕の季節になると里山に現れ、ネズミを捕食する狐を豊作の象徴とみることもあれば、狐憑きやおとら狐、あるいは九尾の狐や荼枳尼天の眷属といった妖怪やオカルトの代名詞のように語られることもある不思議な生き物。
日常の中では、全く何とも思わない存在も黄昏時の山の中では、気がつけばするすると伸びていく影のように、そこにいるはずもない何かの気配を感じてしまうような気がすることもあります。

再びキャッツ。


一万にも及ぶ奉納された鳥居、この圧倒的な信仰の形をお塚信仰と呼ぶらしいです。
そもそも鳥居とは何なのか。これには諸説あるらしいですが、個人的に気になるのが、はるか東南アジアで暮らすアカ族の人々の集落の入り口にこれとそっくりの門があるという説。しかもその門には鳥が刻まれていて、それが鳥居の鳥になっているのではないかというじゃないですか。
我々はどこから来たのか。その根源的な問いかけの答えにつながる門のように思えたりもすると興奮を隠しきれません。

もちろん諸説あるようで、岩戸に閉じこもってしまったアマテラスを呼び起こすための鶏に由来するなどなど。

ところで。八合目あたりでカラスの大軍に出会ったのですが、その時にからーんって音したんすよね。何何??って思ったらこのガラスの破片が参道に落ちておりました。凶兆か吉兆か。第一印象ネガティブな気がしたので見なかったことにしておきました笑。

もう一つおっかない話。
道中の自動販売機に毎回毎回見たことのない、あからさまに怪しいジュース売っているんですがなんなんでしょうか。フォントも不吉。
しかも最初160円なのに降りるに従って130円、100円と安くなっていくんです。。
ひやしあめ。怪しい。。

なんとなく店長に似ているような気がしたドラゴンも怪なのか

ついに見晴らしのいい場所へ。鬱蒼とした世界をくぐってきたので思わずおおぉと声が出ました。


自分は膝があまりよろしくないので、途中で何度か引き返そうかどうしようかなんて思いましたが。。気がつけば山頂まであとわずか!

そして、、ついに!!!
超登ってきたように思いましたが233m。狐に化かされているのかとも思いましたが、寄り道が多すぎただけでそこまで実際歩いていないのかもしれません。
なんにせよ山頂はとても気持ちよく、小さな達成感。
けどこの小さな気持ちを集めるために自分は生きているのかも、なんて。
月並みですがはるばる来てよかったなぁなんて思うのでした。
最後にわずか残された日が落ちていくのとほぼ同じ速度で階段を下り、無事下山。
良き旅でした。

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