こんばんはスタッフ西川です。
日が落ちるのが早くなりましたね。
時間の流れもなんだか早く感じます。
普段忙しく過ごしていると、いつもあれをしたいこれをしたいと思うのですが
いざ時間ができるとパッタリと思考が止まって何をしたいのかな。とわからなくなります。

今日は本のおはなしをさせてください。
キッチン 吉本ばななさんの本です

この1ページ目がとても好きなんです。
序文を引用させてもらいます

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。
どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事を作る場所であればつらくない。できれば機能的でよく使い込んであるといいと思う。乾いた清潔なふきんが何枚もあって白いタイルがぴかぴか輝く。
ものすごく汚い台所だって、たまらなく好きだ。
床に野菜くずが散らかっていて、スリッパの裏が真っ黒になるくらい汚いそこは、異様に広いといい。ひと冬軽く越せるような食料が並ぶ巨大な冷蔵庫がそびえ立ち、その銀の扉に私はもたれかかる。油が飛び散ったガス台やさびのついた包丁からふと目を上げると、窓の外には寂しく星がひかる。

情景が浮かんでくる素敵な1ページからはじまります。
そこに描かれたスリッパ1つさえ道具であり機能美を感じます。
pointweatherのキッチンのことも同時に思い出します。
私はとても道具が好きなんです。そのものに特化した道具っていうのは自分のやるべきことをわかっていてなんだか羨ましいななんて思います。

もうひとつ。
「すごく月がきれいなのを見た、とかって料理の出来に響くんでしょ。月見うどんつくるとかそういう間接的なことじゃなくってさ。」

この言葉も物語出ててくる。そして感じます。
日々のいろんなものを見てささやかな毎日を過ごす。
そしてその些細な美しさや優しさを当たり前のように感じないように丁寧にすごす。
そしてそれが影響して美味しいカレーがつくれたらいいなって思います。

今日はチャナマサラを小皿で仕込みました。
チャナマサラの中にはアムチュールという熟す前の青いマンゴーを乾燥させて
パウダーにしたものを少し入れています。
爽やかな酸味があり、日本人が酢をつかうようにインドの人は使ってるようです。
お店ではチャナマサラでしか使用していないのではないでしょうか。
スパイスと道具は少し似ているような気がします。適材適所の整理整頓された美しさ。

明日もしっかり営業中。よかったら遊びに来てくださいね。
本も書庫においてあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください