物欲は支配下に置いた。そういう境地に至ったと思い上がった40代ですが、なぜか本だけは買うペース加速の一途。
せっかくなので本棚の近況をシェア、お客さんにもぜひ読んでいただき、色々語ることができたら幸せです。

一冊めは川内倫子さんの写真集、うたたね。
瞬間と瞬間。起きたり、眠ったり。様々な無関係が相互作用で関係を持ち、やがて物語に。こりゃすげぇ。
真似してもしょうがないけど、過ぎていく日々が再構築で再び輝いてくれるなら。それはきっと素晴らしいこと。
淡く、美しく、死を意識させる世界です。


そろそろコンプリートも見えてきた加藤敬さんの写真集。
今回もすべらない民俗写真叢書から下北・神仏との出会いの里、です。
期待を裏切らないこの世の最果て。変にオシャレ感出さずに直球イタコ勝負なのも大いに好感。僕も昨年訪れましたがそこに漂う空気の異質を丁寧に写し撮っていらっしゃると思います。流石の一言。


多分同じような歳の頃ににモヤモヤした気持ちを音楽で爆発させ、そして同じように旅に出た友人のオガちゃんこと小川さん。
天才肌でありながらも変態な気質の男が夢中で取り組んでいるプロジェクトの集大成がHuldufo’lk islands.アイスランドの妖精。
溶岩と氷河の大地で、徐々に色褪せていくロウソクの灯のような伝承から伝承へ旅をして紡いでいった作品集です。
それは日本のイワクラ信仰のような象徴的な自然の造形に対する畏敬の念だったり、妖精の学びを伝える小さなアカデミーだったり。
アニミズムの残り香と人間の持つ無限の想像力がかけ合わさった時、大空に広がるオーロラのように無から有が現れることは絵空事ではないのかもしれません。

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