写真を通じて、色々個性が豊かな方とお話しさせてもらうことが多くなり本当に嬉しいなと思う今日この頃です。
思えば長い旅で一番印象深かったこと、そしてカフェという場所を通して実現したかったことが、このさまざまな価値観を持つ人たちとの出会い、そしてその中で感じる刺激だったと改めて思うのです。

今日ご紹介したい方は、そんな個性派の出会いの中でも、特に強烈な個性、自我を隠そうともせず、抉るような視線で作品を撮り続けている藤本宗作さん。
非常に厳しい方です。言い訳を探して、とりあえずとか、ま、こんなもんじゃないですか。。なんて言いながら写真見てもらおうと思うと叩き斬られます笑。
しかしその厳しさは自分にも向けられたものだと苦虫を噛み潰したような顔で藤本さんはいつも言います。
大御所でも初心者でも、そして今までの自分も全て均等にライバルだと思っているという言葉にする人が身近にいることは僕にとって本当に嬉しく、そしてありがたい話だと思っています。そんな藤本さんの個展、箱の中は新宿のplaceMさんで5月の7日まで現在開催中。
1988年、89年に東京の駅、そして電車の中で撮られた作品の展示です。
驚くことに、被写体はモデルではなくたまたま乗り合わせた乗客の方々。
世界でも稀な沈黙の箱、灰色の秩序、そんな東京の通勤車両を無遠慮に中判のカメラでストロボを焚いてシャッターを切っていきます。。
そしてそこに映った表情は怪訝、困惑、あるいはそのどれでもないただ窓の外の暗闇に向かい目を開くだけの顔。
喜怒哀楽、どんな顔を今したらいいか、どう空気を読むか、そういった仮面をかぶる隙を与えない速度と迫力。
正直賛否両論なのではと思います。しかし素通りすることなんてできない。自分自身パンクやヒップホップを聴いた時に感じたようなヒリヒリした感覚を久しぶりに味わえた気がします。
これまたかっこいい本作りをされるイニュニックさんで製本された写真集、お店に置かせてもらいます。ご興味のある方は是非!

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