北海道の田舎を訪れる楽しみの一つがおばあちゃんご自慢の裏庭畑見学。
野菜に果物、そして色とりどりのお花が咲き乱れる桃源郷のような空間を案内してもらいました。
自分が厳しい冬を知らないからかとは思いますが、半自給自足、洞爺湖と羊蹄山を望むユートピアのような豊かな暮らしを眺め。
自分だったらどのような日々を送るだろうかなどと想像したりするのでした。

おじいちゃんおばあちゃんはめっちゃ早起き。我々ねぼけ組。

世代を超えた出会いにお互いドキドキしていたように感じましたが同じ釜の飯を食べ芽生えた友情は固く深いもの。
また会いに来ましょうね。

聳えるホーリーマウンテン。羊蹄山。通称蝦夷富士。
意外と登れないこともない山だと聞きましたがはたして。。

洞爺湖!

登別などなどで知られる温泉、そして活動が活発な火山が多いことで有名な洞爺湖周辺の地域。道すがらに立ち寄った2000年に噴火した有珠山の被災地域。

大地の身震い一つで文明や日常は再び自然の中に還っていく存在であると改めて知りました。
それはいつ自分にやってくるかもしれないとても恐ろしい光景で、しかし崩れたアスファルトの中から咲くたんぽぽはとても可憐だったことが印象的でした。

気まぐれは時に山を思いつきのように作ることもあるようです。
太平洋戦争の時代に突如数ヶ月で隆起した山、昭和新山。
大地は身震い一つで山を作ることもできる。神話の世界がそのまま目の前にあり、自分が暮らす日常にもまたこうしたいつか起きた誕生の奇跡のような瞬間があったのかと思う、そんな山との出会いでした。

山の麓に広がる観光施設には熊牧場も。
熊だけの動物園、そしてなんとなくちょっと雑な感じで飼育されていてかわいそうな気持ちになってしまうのではと偏見を持って立ち寄ってしまったのですがそんなことはありませんでした。
優雅にのんびりと過ごす姿は自分の心に一時の安らぎを与えてくれました。
しかしあまりにも間近で観察できるゼロ距離窓口、通称人のオリで見る熊の姿は思わず生唾ごっくん。漆黒の瞳、ドエグい爪、吐息。
山で遭遇する報道をよく見かける昨今ですがお互いのために、交わらないための知恵と努力が必要だなと思うのでした。

続いて空港方面に戻りつつ、今回の旅の一つのメインに考えていたウポポイのある白老町へ。
途中、素通りできないディスプレイを見かけて立ち寄らせてもらった荒井工芸館さん。ここが深かった!チラッとだけ拝見させて頂こうか、なんて考えていたら担当の案内してくださる方がついてくださって、目眩く北海道と民藝とアイヌの歴史と世界観について教えていただきました。

そしてウポポイへ。
ここでも芸能を通して、あるいは文化体験や芸能を通してこの土地で営まれてきたカムイと共にある暮らしを垣間見ることができたように思いました。
様々な意見があるとも聞きますがとても誠実な展示とスタッフの皆さんの対応でした。
食堂のアイヌ郷土料理が全て売り切れだったことが唯一の残念。逆に嬉しかったのがどうせ下手だろうなと思っていた自分の体験弓矢がまさかの抜群の的中率。

また興味深かったのがアイヌの人々の信じた死生観。人だけでなくあらゆる動物もまた死や誕生をきっかけにして並行するカムイの世界とアイヌの世界を行き来するようにダイナミックに世界を駆け抜ける。死がなぜ訪れ魂がどこから来てどこに行くのか考えることをやめて今を生きる我々とはまた異なる、深い哲学と祈り。とても感銘を受けました。

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