スタッフ柚希です。
先日、割とご近所に素敵な本屋さんがあるらしいぞという噂を耳にして家族で妙蓮寺を訪問しました。
大倉山、菊名と綱島から三駅しか離れていないのに、私、初めての訪問です。
個人商店がいきいきと活躍されている商店街の中にその書店、生活綴方さんはありました。
装丁や紹介文を見るだけで絶対私これ好きだ。。と確信できるセレクト、そしてうちの店長、お知り合いの方の作品もたくさん並んでいて驚いたと語っていたzineもずらり。
ちょうど奥の出版社で仕事をされていたオーナーさんともお会いすることができ、とても楽しい時間を過ごしました。
私はここで安達茉莉子さんの著書、私の生活改善運動をお買い上げ。これがさっそく面白い!
またここで週末にブックマーケットがあるのでよかったらと紹介してくださったのが妙蓮寺、本の市。
週末はお店も忙しく、正直難しいかなとも思っていたのですが、そこは同じ沿線の三駅の距離。
営業終了と同時に駆けつけました!
実は裏口だった?のかもしれませんが、この竹藪を通って会場である古い民家に向かうのです。最高です。
会場は雨の日にもかかわらず大盛況!
色々なお店のブースがあり目移りしながら、全ての本にお手紙をつけて販売していらっしゃるという、その名もお手紙書店さん。なんて素敵なのでしょう!
ふと、道端で見つけた一輪の花のように、たくさんある本の中から自然にその本を手に取りました。
表紙のデザインは作家さんが人から頂いたチューリップの花束。バラバラと落ちた花弁が美しかったので描いたと語ってくれました。素敵です。
少し怪しいことを言ってしまいますが、美しい花弁が人間の細胞のように私は見えました。
その本の名前は「からだが教えてくれたこと」書店の主人でもある、みやべほのさんのzineです。
東京の生活史という本に沿って作家さんが日々思うところを綴るエッセイ。小さなお話が少しづつおさめられた小さな、しかしずっしりと根を張っている本です。
私はその中で、話を聞くというお話にとても共感を持ちました。
人は笑顔だから幸せとは限らないし、自分の目に見えてることがすべてではない。淋しさや辛さを身近な人に話せる人は実はそれほど多くないのかもしれないという言葉に思うところがあるのです。
そんな日常の中だからこそ、生活の中でふと交わるささやかでも心が交わるような、杓子定規ではない交流に私は何度も心を救われてきたように思います。
これまで私が買い物のレジや保育園の送迎で一瞬すれ違ったもだけの人との会話にもやもやした心をふわっとさせてもらったように、私ができること。
人見知りで引っ込み思案な私が、何の因果かカフェで接客を行い、毎日たくさんの出会いに恵まれています。
私はいつもお会計の時などにちょっと言葉を添えられたらいいなって思ってて、でもそれはなかなか難しく、このお客さんにはもっと話し掛けたかった、あるいは語りすぎてしまったと悩んでしまいます。
エッセイの中にある街に潜む無名の偉人にはほどほど遠いですが、目指す場所は高く、大きく、尊い方が素敵ですね。いかにうまく話せるかを背伸びして考えるのではなく、あくまでも私らしく、それでいてお会いできた方の心がきた時よりもほんの少しでも軽くなっているように言葉を添えられたらいいなと思うのでした。
また会場では春翠のためにしゅっぱつ、しんこう!という特急列車の絵本、なんとも可愛らしい紅茶型のクッキー。そして店長は東京滞在記というzineを買ってほくほくしていました。なんでもキックボクシングと東南アジア旅の話で盛り上がれたとか。
本の数だけ思いや出会いがある。私の知らない世界を教えてくれたり、私が忘れていたことを思い出させてくれたり。
我々もいつか何かしらの本を綴ることができたらと、こっそり興奮するのでありました。