kyotographieのメインプログラム以外で巡った様々な表現。
KG+、そして二条城で行われていたアンゼルム・キーファー:ソラリス。

例年二条城はkyotographieの目玉として超大型の写真を展示していたのですが今年は全く写真とは関係ないドイツの芸術家、アンゼルムの独壇場。
お恥ずかしながらどんな方なのか全く予備知識なかったのですが凄かったです。
ヴェンダースにより映画化もされている重厚で神秘的な世界観と、400年以上の時間と激動の歴史が沈澱する空間との緊張感のある調和が素晴らしかったと感じました。
ドイツが大戦から歩んできた歴史やその深層にある神話や精神世界、ピナバウシュやリヒターの展示を見た後にも感じた人間の業をまざまざと見せられたような気がしました。

名も知らぬ小さな運河に白鷺(?)あり。数年前鴨川でヌートリア発見して興奮のあまりぶっ倒れそうになったり、世界有数の観光都市となった今も山や湖と関係性を保っていること、素敵だなと思うのです。

ここからはKG+。自分が訪れた日はメインプログラムだけでなくサテライト規格のKG+もお休みが多く無念。そもそも会期が大きく分けて前、後期と分かれていることを知らず、その狭間にうっかり訪れてしまった模様。
しかしそれでも早朝から夜中まで、文字通り足が痛くなるほどに歩き回りましたが到底見きれないボリュームの展示量。

特に印象深かった作家さんが瀧本幹也さん。コロナ禍で行動を制限された作家が見出した、足元にある小宇宙。
シンプル故に心に響く写真もあるのだと感じ入りました。

写真集lumiereはお店にも置かせてもらっています。
草むらに寝転び、野に咲く美しい花を美しく愛でることの大切さを今一度感じることができた一冊。お客様にもぜひ見ていただきたいです。

また仲良くしてもらっている作家、尾山直子さんの写真展、耳をすますもとても印象的でした。

人生で最期に聞きたい音はなにか。
人が死ぬときに最後まで残る感覚とされている聴覚。
いよいよこの世に別れを告げるときに我々はどんな音や声を聞きたいか。それは人生の最後にこの世の何に包まれて旅に出たいかという選択。
訪問看護をしながらたくさんの人の話を聞き、看取ってきた尾山さん。
最後に耳に入ってくる言葉が彼女の言葉だったら素敵だと思えるような人の優しく余韻の残る展示でした。

それにしてもKG+。メインのプログラムと同じく、表現の方法、伝えたい思いは多岐に渡りとても興味深かったです。
窓にも鏡にもなれる写真というメディアの可能性をまだまだ感じることのできる素敵な時間でした。

 

 

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