今年の4月でpointweatherの隣の美容院が閉店しました。
僕たちがお店を作る時には、すでに営業していたので実に20年以上。なぜか美容室の激戦区と言われる綱島で、コツコツと刻を刻むように、毎日お客さんの髪を切り続けるということは改めてすごいなぁと思うのでした。
実はお隣なのにあまり仲よかったとも言えない関係だったりもしたのですが、身近なお店の終焉は寂しいというよりも、人の寿命と同じで必ず来る最後の日についてリアルに考えさせられました。
次の世代に事業を託すというビジネスモデルでもないし、そもそもこの物件自体が古民家レベル。
自分だったらまた違う場所でお店を作るのか、あるいは何か別のことを始めてみるのか。
春真っ盛りにも関わらず、少し物思いに耽るのでした。

もう一つ、今年の春に物思いに耽る理由が。
年は自分より一回り上ですが、お互い写真が大好きなことで仲良くなったお客さんがいらっしゃしました。
その方は造園を仕事にされていて、毎年この頃になると竹林の整備で掘った大量のタケノコをお店に持ってきてくださり、自分はお礼にコーヒーをお出しする。とても釣り合わないような大量のタケノコにも関わらず、さらに自分の畑で採れたインゲンを持ってきてくださり、野菜美味しかったですと伝えるとはにかみながら、そして人一倍でかい声でやったー!と子供のように喜んでいる姿が素敵だなぁと思うのでした。
去年の写真の展示、あるいは業務用の冷凍庫の搬入の時もいつもまかしてよー!と率先して手伝ってくれる姿。娘さんの結婚式で張り切ってフォトブックまで作ってしまう姿。こういうふうに自分も歳を重ねていきたいなといつも思って感謝以上の気持ちを持って眺めていました。

そんな生命力に溢れる姿も、去年突然の事故があり二度と見ることができなくなってしまいました。ちょっと言葉に詰まるほど悲しく、切ないです。
せめて自分が自分らしく、日々を悔いのないように生きること。
10年前にはできなかったこと、そして10年後にもできないかもしれないこと。
今、この瞬間をもっと大切に、そして本当にやりたいことをやっていく。
教わった大切なことを自分自身が実践していく中で、その方が見ていた風景が自分にも少しは見えてくるのではないかと思うのでした。

嬉しいことに今年はまた別の大切な友達からタケノコをいただきました。
とても美味しかったです。
ただ、もっともっと色々なことを話し、気持ちを伝えたかったなと思うのでした。

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