先日仕事終わりに寄らせてもらった展示、PART OF THE ANIMAL 動物と人間の間。
三軒茶屋で行われた展示はそれほど大きな規模ではなかったのですが、とても面白く興味深いものでした。人と動物の関わりを人間はどのように考え、時代を経て今、どういったものになっているのか。
恐れ敬う。狩猟採取の対象。家族のように生活と共にあるもの。そして保護する対象。

人類が気候変動に怯え末長く暮らせるようにと願うサスティナビリティからマルチスピーシーズの視点で改めて森羅万象を見なくては遠からず終焉を迎えてしまうのではないかと感じさせる世界で、今アニミズムを知性ではなく感覚で感じていた世界を思い出す起点は論文ではなくアートが担う役割も決して小さいものではないと思わせてくれる作品だったと思いました。

新しい技術や知識との出会いに興奮するように、一度立ち止まり振り返る。遠い先祖が、あるいはかつて幼き日々にかろうじて感じることができた対話や関係性を。

もう一つ興味深かった展示をご紹介させてもらいます。
オペラシティで行われていた今津景さんのタナ・アイル。インドネシアの言葉で土と水。祖国という意味だそうです。

そのフォトショップを使った絵画という技法が注目されていた作家さんだそうですが、今回の展示はインドネシアという土地で制作された意味、意義がとても強いと感じました。
日本のコロニーだった過去、そして今もグローバルサウスの一つとして資源を奪われ続け、そいの代償としての環境汚染が問題になっている現状について。あるいは現地の神話と自身の出産という体験が混じり合うインスタレーションを見ることができました。
その土地を深く知ることで、何を感じ表現するべきか指針を得る。
ここでも人類学のフィールドワークのようなアプローチから始まる問題提起のあり方に自分の興味があったように思います。

自分が大学を出てから20数年経ちました。勉強が嫌いだった当時からは考えられない、今改めて学びたいという気持ち。
学歴を得て、次の就職に紐づけるとかそういった必要も気持ちもない今、どのように自分自身の舵を取っていくか。願わくばそこに常に好奇心による心地よい風が吹いていますように。

One thought on “人類学が織りなす多様な表現について”

  1. 自分にとっての本当の湧き上がってきて起こる学び、っていつ動き出すか分からないものですよね!凄く分かります!人生という道なき道の大海原〜、舵取りが楽しくなってくる時期っていうのがあるようです…
    好奇心だけが、天で照らしてくれる星だと思います!自分の舵取り楽しめる人生でありたい!同感!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください