こんにちはスタッフ柚希です。
久しぶりのブログは、新しくお店にやってきた絵本のご紹介させてもらおうと思います。
かないくん 作:谷川俊太郎さん 絵:松本大洋さん

谷川さんが小学生の頃に実際にあった友達の死の物語。
その文章に寄り添うように描かれた、柔らかでノスタルジックな松本さんの絵がとてもグッときます。
辛い、悲しいだけではない、死や別れについてさまざまな感情を感じることができる絵本になってると思います。
大人から子どもまでお薦めしたい本です。
話の後半は、小学生だった少年がお爺ちゃんになって、死についての物語をどのように完結させるかという話になっていきます。
背中は人を語ると言いますが、冬の桜の木が描かれたページは言葉もなく、私にはそれがお爺ちゃんの背中に見えジーンとしました。
お店の本棚に置かせてもらっています。ぜひ読んでみてくださいね。

そういえば少し木のつながりで。
先週西伊豆で樹齢1500年のビャクシンを見てきました。
途方もない時間と歴史を生きた樹。すごい迫力。そしてなんだかとても優しく慈しみ深い印象を私は受けました。
付近には神秘的な池もあり、水面が鏡のように冬の終わりの空を映していました。美しい。

1500年という年月が木にとって長いのか短いのか、どのように感じるのかは私にはわかりませんが、今日みたいに最高のお天気もあれば台風も雪の日もあったと思います。
自身の足元から小さな目が吹き育っていく姿に目を(?)細めた日もあれば仲間や家族が枯れてしまった日もあったと思います。
かないくんの最後、おじいさんが息を引き取り、孫にあたる女性は終わったではなく、何かがはじまったと感じ真っ白なゲレンデをさまざまな感情に包まれながら雪の中に消えていきます。
大好きな谷川さんがこのシーンで何を伝えたかったのか。はじめてこの本を買って読み終えた時と今ではだいぶ印象が変わりました。

ビャクシンが何を考えて1500年を生きたのか、おじいさん、あるいは谷川さんが何を考え絵本を綴ったのか。
短くても精一杯生きた命、途方もなく長い時間を生きた命。
絵本の中で語られることはないですが、幾度となく姿を現すウサギ。
みなさまがどのように感じられたか、ぜひ聞かせてもらいたいと思いました。

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