小さな旅と立ち寄ったお店の話。
生前父親がバブルの時期に別荘地を買い、そしてそのまま放置して、ついに一度も使わないまま自分が二束三文で売却するというとんでもない話があったのですがそのありがとうキャンペーン(?)みたいなご縁で年に一度宿泊券をいただくことがあります。
おこぼれにあずかり、那須訪問。家族3人では初めてですね。
旅先ではいつもパンパンに予定を入れて、そしてそれはいつしか24時間から溢れ出して、Googleマップにつけた印は多すぎてたわわに実った葡萄の如し。挙句、最後の方はいつも加速に加速といった具合なのですが、何度目かの訪問ということもあっていつになくノープラン。
宿で映画でも見ようぜといった具合で挑む私。成長なのか、老化なのか。
こんこんと眠り続ける赤子。ランチは謎にビートルズ推し。自分はこっそり心酔している秘湯を守る会、大丸温泉さんへ。常連?の北温泉とはまた違ったエレガントな魅力。川のような露天混浴含めて貸切でした。。贅沢。。
カラオケ、あるいは遊園地というようないわゆるデートスポットのような場所に縁のない半生を送って来ましたが入場料がサービスということもあって那須ハイランドパークへ。
クリスマスの4日くらい前、閉館間際の遊園地は自分がイメージし続けていたそれよりもずっと侘び寂びがあって、なんだかとても好きになりました。
遊園地といえば!いざ観覧車へ。
記憶を辿りに辿ると、もしかしたら89年横浜博覧会コスモロック以来ではないでしょうか。だとしたらそれはもはや限りなく透明に近い、前世に近い記憶。
あまりにも淡い窓からの風景は、なぜだかとても素晴らしいもののように感じたのでした。
なぜか猟奇的な事件が起きそうなコテージが今日の宿さね。
季節外れの台風のようにはしゃいで、台風一過のように眠る春翠さん。
日も暮れて、時間を持て余しソワソワして件のグーグルマップを見ると覚えはないが印がついている温泉を発見。はて、と思い検索するとそこはとてつもなく退廃した魅力を放つ内装と極上の湯と書かれているレビューを発見。。
ちょっと出かけてくるね。と再び男一匹温泉、雲海閣さんへ。
エントランスは無人。そして謎の地図。
宿泊もできるようです。自炊部をチラ見。
流石に息を飲むトンネルをくぐり、奥へ奥へ。
ゴクリ。。
お風呂には先客の方がいらっしゃってほっと一息。よく辿り着けましたね!心細かったっス!みたいなテンションで仲間意識が芽生えてよかった笑。
お湯は最高でした。料金も超リーズナブル。ズバリおすすめです!
温泉のとんでもない効能なのか、黄泉の国から帰れたような安堵なのか、そこから一気にぐっすりです。
翌日は営業ということもあって横浜まで夜明けと共に出発。
朝日がとても美しいハイランド。
生前あまり話をしなかった父親もここで静かに昇る太陽を眺めたかったのでしょうか。叶わなかった別荘の夢ですが、孫もしっかり朝日をその目に焼き付けておりますよ。
そんなセンチメンタルも帰りの高速の渋滞を知り霧散。
だいぶ余裕を持って出発したのに、もしかして間に合わないんじゃないこれ?と。
手に汗かきまくってなんとか開店15分前に到着。
余裕旅のはずが最後はやはりこうなるかと。
結局映画は見れていません。。