大地に耳をすます気配と手ざわり、絵と窓の間。この夏訪れて印象的だった二つの展示を振り返ってみました。
東京都美術館の展示は営業時間がシビア、そして上野と横浜というなかなかご近所とは言い難い距離感。お店からロケットスタートで文字通り走ってようやく間に合った、そんな汗だくになった夏の思い出がさっそく甘酸っぱいです。

この展示はタイトルの通り都市部ではなく、かといって大自然のど真ん中でもなく、その二つが交わる境界線でお互いの存在を意識しながら、時に共鳴し、浸食する。その中で五感を研ぎ澄まし制作する作品はとても興味深く刺激的でした。
文字通り耳をすますと気配が感じられる距離感。
僕は中で川村喜一さん、ふるさかはるかさん、ミロコマチコさんの作品が特に印象に残りました。

今いる場所から慣れ制作する、しかしそれは単純に窓の役割ではなく、あくまでも表現は自分の内側から。とても学びが多い展示だったと思います。

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もう一つ。場所はググッと南に。葉山の神奈川近代美術館で行われている石田尚志さんの展示、絵と窓の間。もうタイトルだけで毛穴が開きます。
石田さんは僕があまりアートとか見に行かない頃に何かの偶然で作品を拝見したことがあって、その時にもう雷にぶち抜かれたような気持ちになったことを覚えています。

壁に、窓から差し込む光をトレースするようにドローイングを行い、それをいわゆるコマ撮りのように編集した作品。ヤンシュヴァンクマイエル的なイメージでしょうか。ものすごく美しく、それでいて漂い続ける不穏な空気。
圧倒的な時間と手法が作り上げた、現実から大きく乖離した結界のような空間は写真じゃ凄みが伝わらないのがもどかしいですがぜひその圧倒的な映像を体験してもらいたいです。どこまでが現実かわからなくなり不安になります。。
今回の展示では今の手法にたどり着くまでの歴史や新しく立体も使った作品。そして会期中に制作していく作品もありました。
会期もわずかですがぜひ!

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