いよいよお盆が始まりますね。夏休み、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
自分の夏はいつもと違い、展示の準備で部屋で汗かきながらパネルなどを作っており、それはそれで充実しているのですが、窓の外では夏がサラサラと音をたてあっという間に流れていくことに焦りと若干の切なさを感じたりしています。

ところで去年のお盆は長崎に行ってきました。精霊流し、船に故人の魂を乗せ海の向こうの浄土にご先祖様送る行事です。
人は亡くなった後、天国に行くのか、先祖になるのか、生まれ変わるのか。そもそも命の尽きた後とか先なんてものは存在しないのか。

答えのない問いに先人が出した一つの答え、それがどういったところかはわからないが、海の彼方に存在する。
魂はそこに向かうであろうと。

爆竹を鳴らし魔を祓い、独特の音色の鐘の音が都市の真ん中に響き渡る。
海の彼方、東京や京都よりも近くにある大陸の影響を強く感じる彼岸への道の姿。
特に台湾の基隆で参加した鬼月、中元節のパレードを自分は思い浮かべました。
日本海側の海岸線、東アジアの島や半島にとって海の向こう側とはもっとリアルにここではない世界が広がる世界だったのではないでしょうか。

初盆を迎える家族、あるいは自治体が船の形を模した山車を海の方に押して進んでいくのですが、生前の趣味や仕事、生きがいなどを表現したユニークな姿の船もたくさんあって微笑ましいです。
伝統は伝統で大切にしてほしいし、同時に世代を超えて続けていくための柔軟さも大切。

それにしてもお盆に旅をするのは大変ですね。長崎への飛行機は早い段階で一杯に。結局佐賀の空港で車を借り、長崎まで往復することになりました。当たり前ですがなかなか遠い。。
そういった事情もあり、スケジュールの関係で見たかった日が暮れてからの様子を見ることはできませんでしたが、それでも、自分の暮らす国で、希薄になりつつある死への向き合い方をこれほど大きな形でたくさんの人々が共有しているということはとても印象深いものでした。
長崎、また訪れたい。

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