先日訪れたラダック、ザンスカールの旅を少しづつ振り返ってみようと思います。
少し長めの旅の中でも割と難所かなと考えていたのがザンスカールの奥の院、プクタルゴンパ。友人の番匠くんと前日に合流し、とんでもない悪路を運転手入れて7人乗りのタクシーでシェアしてはるばるやってきました。
このショートカットができるようになったのは本当に最近で、特に今回通った谷道は今年開通ほやほや。断崖絶壁の砂利道ですが一泊二日で大きくカルギルという街に迂回してラダックからザンスカールに向かっていたことを考えると途轍もないショートカット。特に冬場、雪で峠が通れなくなるとこの谷の凍った川を歩いて通るしかなかったらしいので、色々な意味で革命とも呼べる大きな変化が静かな村に訪れるのかもしれません。
さて、我々の乗ったタクシーはザンスカール中心のパダムという町からさらに南へ。道中にあるバルダンゴンパに立ち寄って、プルネという村まで運んでもらい、最後の2時間を歩くという計画。
パダムからしばらくは舗装道路で快適快適。あっという間にバルダンゴンパに到着しました。
崖の上にそびえていてかっこいい!
この辺り実に野犬多し。そして飼い犬はそれら野犬をはるかに凌駕する狼みたいな犬であることが多いのですがこちらのゴンパもケルベロスみたいなワンちゃんおりました。事前に電話しておさえてもらうのだとか。
これタクシーの運転手さんついてきてくれたからよかったけど、一人での訪問だったらここで噛み砕かれ成仏していたかもしれません。
案内してくれた若いお坊さん。英語も堪能。すごくかっこいい人でした。
他にお客さんがいなかったこともあり、色々と話をしてくださいました。
決して大きくはない僧院でしたが僕はこの空間がとても好き。
特に僕が感動したのが仮面の保管部屋。チャムと呼ばれる年に一度の仮面劇では彼もこの中の一つを被り踊るそう。
必要以上に大きく派手である必要はなく、小さくとも確かなものであるべき。
祈りのあるべき姿を見ることができたような気がしました。
ゴンパを離れさらに南へ。途中でヌー、あるいは牛を放牧している方に出会い少しだけ撮影させていただきました。
この時期もっと標高の高い、寒いところに移動していくと聞いていた遊牧。
どこから来て、どこへ行くではなく、今いるところが自分の居場所という生き方を想像してみる。
さらに進むと道は未舗装に。文字通り崖っぷちを結構な速度で進んでいく。
草一つ生えていない大地。たまにポプラと畑のある集落。そしてまた荒野。
不思議と退屈せず車窓の風景に目を凝らしているとブレーキ。
工事中なのか土砂崩れなのか、とにかく待つしかない状況に。
少し降りて崖を覗き込む。
辺境のお寺に暮らすお坊さんも大変だと思うのですが、この工事現場で頑張る皆さんは本当にタフ。こちらの方はダイナマイトを岸壁の中に仕込んでらっしゃいました。
土埃もケホケホって咳が出るとかいうレベルじゃなく、うっかり死んで天国行ったかと錯覚するほど。
グーグルマップにも乗らないような世界の果ての果てで、今日も頑張っている人がいると知る。
ようやく、プルネという美しい村に到着。ここが車で送ってもらえる最果て。
そして歩き始めるスタート地点。