今年の夏にずっと気になっていた宇和島の牛鬼を見学に行ってきました。自分は牛鬼はもちろん初めての宇和島。同行してくれた柚希さんにとっては初愛媛となんだか感無量です。
空港にはみかんジュースのシャンパンタワー。
当然のように蛇口から注がれるみかんジュースの姿もあり旅情が高まります。

松山から一気に南へ。
同じ四国でもうどんうどんと愛想を振り撒きながらも着々とおしゃれ感を高める香川あたりと異なり、本当に牧歌的な四国西部。名物の鯛めしが五臓六腑に染みます。
海を挟んだ対岸は遥か九州大分。改めて遠いところに来たなと目を細め波の向こうを眺めたり。

さて、宇和島の街は思ったよりコンパクトしかし活気あり。そして好みの屋根付きのアーケードの商店街。
そんな街の中心に前のめりになりながら集う牛鬼達。興奮!!

全く予備知識がなく訪れてしまったのですが、牛鬼は一体ではなく各地域がそれぞれの牛鬼を用意しビジュアルや勢い、チームワークなどを競う競技的な一面もあるようでした。順番に行進し審査員にアピールしていきます。
中には煙のようなものを口から吐き出したりと、なんだかすごいです。
ビジュアルも骨組みに布をかぶせたタイプだけでなくシュロのようなもので全身を覆ったどこかトロピカルなタイプもあったりして興味深いです。それでいて頭の部分だけは基本に忠実。
デカ過ぎるアルパカの頭だけが獅子舞になったような。恐かわいい。

応援合戦もバチバチ

しかしここで問題発生。というか朝から様子がおかしいとは思っていたのですが牛鬼を前にして確信に変わったこと。私高熱にうなされておったのです。
折りしもパンチの効いた猛暑の一日でしたが、いくらなんでも暑さが過ぎると思ったら、身の内側からも熱を放っていましたというわけでしたか。
とにかく、このタイミングで初コロナではないかと不安になり検査薬でチェックするもそこは陰性。

せっかくタイミング合わせてきた牛鬼なのにゆらゆらと蜃気楼のように揺らいで見えます。あるいは自分が揺れていたのか。不甲斐ない。

それにしても牛鬼とは何者なのか。
西日本の妖怪で海辺に現れ人に仇を成すという印象ですが、なぜこの鬼が宇和島で祀られているのか。
牛自体にツノが生えているので頭が鬼の牛なのか、全体的に鬼っぽい牛なのかいまいちよくわかりません。
その正体や謂れは謎が多いそうですが、諸説の中で面白かったのがその正体は年老いた椿の根という説。

牛頭天王なども連想させるその姿は、ただの魔ではない、むしろ魔をもって魔を払う姿が垣間見えます。かっこいいですね。
水牛の相撲などが今も残る土地では牛という存在が持つ意味は関東のそれとはまた少し違うのかもしれません。

その後宇和島の街をしばらくそぞろ歩くも体力の限界を迎え一旦離脱。
次から次へとやってくる牛鬼くん達の姿に後ろ髪を引かれる思いであります。

病院行きも視野に入れつつ、一旦車内で休憩したところ、なんとか峠越え。
熱中症、あるいは牛鬼の呪いだったのか。。
これはもう真っ直ぐホテルまで行くか、あるいは最悪、帰宅を考えていましたがどうしてもいきたかった場所があり、その聖地?で身体をまず癒し、その後の身の振り方を考えようかということになりました。
その聖地?が凸凹神堂。
怪しい石人の出迎えに沈黙していた身体中の細胞がざわめき、活性化していきます。

癒しのkinoko形。

かつては噴水していたのか。枯れた泉と孤独な狸。

seichi。流石に入館は控えておこうかと思いとどまったのですが、のちに大きな後悔。
次回は万全の体調で必ず。。

いわゆる性の殿堂のような、クスッとさせられるユーモアのある神社だなと思ってい他のですが、この人形供養のお堂だけは一線を隠した空気に満ちていてドキッとしました。油断ならぬ。
魂だけ足りていない子供としての人形と、肉体だけが足りていない魂が交差する場所としての性を祀る場所と考えると、どこか緩んでいた気持ちも一気に冷め大いに汗が出てきました。

結果その汗が功を奏してだいぶ体は楽になりました。次回は宇和島、そしてその先にある四万十川まで旅をしてみたいなと思うのでした。

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