昨日休憩時間を利用して代官山の上田義彦さんの写真展、いつでも夢を、見てきました。
サントリー烏龍茶の広告として1990年から約20年中国でロケをしていたシリーズの回顧展となるものでしたが、
展示されていた作品は綺麗な女優さんが美味しそうにお茶飲んでいるいわゆる広告写真だけではなく、その取材中のスナップ、20年前の中国の日常がたくさん散りばめられていました。
その常に霧がかっている風景は僕が旅を始めた時の、初めて目にした旅の風景そのもので、当時僕が感じた解放感、緊張感がドドッと蘇って来るような空間でした。
なんとなくインドが旅のエキゾチックの代表みたいに語る時も多いですがインドに行く数年前、北京、少林寺、洛陽、大同と初めて自分一人で旅した記憶は何かが自分の中で大きく変わると確信めいた気持ちになったことを覚えています。
灰色の空、何かの祭りのような原チャリの大群、駅前に家財道具一式持って佇む家族、混沌極まる列車移動、石炭やさまざまな物が焼ける匂い、その熱で沸かしたお湯を注ぎ茶を飲むためのマイ水筒。
漢字のニュアンスで料理頼むも予想外のものが出てきてそれでもほぼほぼ美味な食堂、飛び交うラーメンの汁、蒸されたおまんじゅうの蒸気。
必要以上にでかい声、意外と盛り上がる筆談、なぜかタンクトップをめくり腹を出すおっさん、こちらが外交人とわかるとなぜか照れ臭そうにはにかむ人々。日本人って嫌われてれのかと思ってたら超いい人ばかり。
楽しい思い出、辛い思い出、全ての経験の時間が新鮮で全神経、全細胞が興奮していたことを覚えています。
今の中国のことはあまり知りませんが僕は一気にここではないどこかに夢中になっていきました。
旅から旅へ。ここが始まりだとすれば終わりがあるのでしょうか。
自分自身大きな節目を迎える気がする今日この頃、始まりを思い出すことができた貴重な訪問となりました。