少し時間が経ってしまいましたが新野の雪祭りの様子をもう少しだけ載せさせていただこうと思います。
異形、マレビトの出現は祭りの中でもまさにハイライト。日常生活では決して出会うことのない存在。
僕は訪問前にネットで動画などは極力見ないようにして、その特異な存在が一体どのように歩み、舞い、思い、そして何を祈るのか、想像の世界で一度、そして祭りの現場で再び向き合えることを密かな楽しみにしています。
一年に一度だけ具現化する存在。
篝火に照らされて闇から浮き上がるその表情からは、一切情報を読み取ることができません。
そして動きは驚くほどに軽やかでした。雪という不動の物が名前に付けられた祭り、そしてどこか能面を連想させる仮面から、幽玄を連想させる動きを想像していましたが、スキップに近い形容しがたいステップで境内を所狭しと駆け回っていらっしゃいました。
仮面のサイホウに見とれているといつの間にか境内に積み上げられていた草木に日がくべられていました。
瞬く間に炎の山に。暖かいとかいうレベルじゃない
天を走る船から燃え移った篝火もそこに加わり境内に一気に熱が。
静かに見守る人も
かじかむ人も
煽る人も。
皆、それぞれ静かに高まっていく
サイホウは炎にひるまない
庭の儀と呼ばれるサイホウの活躍はこの炎のすぐ脇での問答がクライマックス。
幸法ことサイホウが何をこの地にもたらしたのか。残念ながら問答を聞き取るにはあまりに炎の火力が凄まじく僕は近寄ることができませんでしたが、粛々と物語を続ける皆さんがただひたすら凄まじい。
サイホウの後はモドキと呼ばれる文字どおりサイホウもどきが現れ境内をまた駆け回ります。
本当は明け方まで見て行きたかったのですが仕事の疲れ、運転の疲れでそろそろ引き際。
今回見ることのできなかった競馬の儀などを見に、また必ず訪れたいと思うのでした。
それは山深い里でのほんの小さな出来事。
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