最初にお会いした時は何の時だったでしょうか。
友人の奥様がイラストレーターでそのお父さん。あるいはお仕事させていただいていた職場の先輩の旦那さんの先輩。
そんな不思議なご縁をきっかけに仲良くしてもらっている山口巧さんの個展についに遊びに行かせてもらいました。
ブラジルを旅したのは1966年。オスカーニーマイヤーが首都ブラジリアにカテドラルを建設中、そんな年だったそうです。
働きながら、そして描きながら、南十字星の下を旅をする日々。
ブラジリアからアマゾンのベレンまでバスで赤土の道を10日ほどかけて移動する。そんな旅だったそうです。
そんな功さんの80歳の節目の年に行われた展示は彼の地の照りつける太陽とその光が生み出す影。そしてそんな昼も夜も笑顔とサンバのリズムを絶やすことのない人々の営みが混沌と溢れていました。
ファンキーな横顔だぜ。
描いた時代もまた混沌と混じり合う。
サントス、リオ、サンパウロ、ブラジリア、フォルタレザ、イグアス。そしてサルバドールにアマゾン。
そしてどこを旅した、あるいは良い時代に旅をしたということももちろん興味深いのですが、やはり一人の人間としてどういう旅をしてきたか、その話を聞けたことは僕にとっても大きなギフト、貴重な経験となりました。
どういうわけか軽自動車の免許でコンボイを運転していたという話をお伺いしました。こんな赤土の、果ての無い道だったのでしょうか。
都市を超えて
市場を超えて
やがてまた海に。
人生の大先輩の優しくて、情熱的で、そして芸術的な作品と人生は本当に素敵で僕も自分の半生を振り返る時、そしてこれからの時間を考える時の大きな指針とさていただいています。
幸せって何だろう。そんな大きな、大切な問いの答え、とまではいかなくてもヒントをいただいたような時間と空間でした。おまけ、と言っては失礼ですが同じ銀座で行われていたウルトラ植物博覧会2016の様子も少々。
インドネシアのコウモリラン
こちらはボリビアのふかふかサボテン。解説によるとボリビアなのにライオン錦だそうです。
こんなのが元気に生きている世界に我々も生きている。世界の多様性よ。。と唸りたくなるのですが彼らから見た珍妙極まる生き物は人間なのか。
最後はガジュマルの根を。
見事な根の張り。
しかしやはり沖縄、台湾と旅して見てきた幾多のガジュマルに比べるとどこか何かが失われているような気もしてきます。それが何なのかははっきりとはわかりませんが、ひょっとしたらキジムナー、そう言った妖怪というか概念に集約される何かなのかもしれません。
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